【全3巻】完結
愛と呪い
物心ついた頃には始まっていた父親からの性的虐待、宗教にのめり込む家族たち。愛子は自分も、自分が生きるこの世界も、誰かに殺して欲しかった。阪神淡路大震災、オウム真理教、酒鬼薔薇事件……時代は終末の予感に満ちてもいた。「ここではないどこか」を想像できず、暴力的な生きにくさと一人で向き合うしかなかった地方の町で、少女はどう生き延びたのか。『ぼくらのへんたい』の著者が綴る、半自伝的90年代クロニクル。
(※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています)
レビューPICK UP
みんなの感想
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エグい (3人)
リアル (2人)
愛と呪い(1)
物心ついた頃には始まっていた父親からの性的虐待、宗教にのめり込む家族たち。愛子は自分も、自分が生きるこの世界も、誰かに殺して欲しかった。阪神淡路大震災、オウム真理教、酒鬼薔薇事件……時代は終末の予感に満ちてもいた。「ここではないどこか」を想像できず、暴力的な生きにくさと一人で向き合うしかなかった地方の町で、少女はどう生き延びたのか。『ぼくらのへんたい』の著者が綴る、半自伝的90年代クロニクル。【全217ページ】
愛と呪い(2)
性の暴力――それ以外は、明るく善良な家庭だった。家族への怒りと愛に少女の心は引き裂かれ……。性的虐待なんて、なかったかのように振る舞う家族。この世界が終わらないなら、私が壊れてしまえばいいのだろうか。過去を「なんでもないこと」にするために、記憶を他人の身体で上書きする。何度も、何度でも、汚れることが救いのような気がしていた――。虚しさとともに始まったゼロ年代の絶対孤独。【全219ページ】