大きな木 −The Giving Tree− 分冊版

2人の子供と子煩悩な夫に囲まれて、平凡ながらも幸せな結婚生活を
送っていた由利恵。
その幸せな結婚生活がある日突然壊れてしまう。
夫が自分たち家族を捨て、女の元へと去って行ってしまったのだ。
夫が家を出たのはよりにもよって『子供の日』。
両親も頼れるきょうだいもいない由利恵は子供のことを思い、途方に暮れる。
居ても立っても居られない由利恵は気がつくと子供たちを連れて夜の公園にいた。
そんな由利恵の前に―――――。【全12ページ】

由利恵は、夜の公園で出会った森下という年下の男性の助けを借りながら、仕事をはじめる。
前向きに生きようと決めた由利恵は資格を取る決心をする。
徐々に打ち解け合っていく中で交わすふたりの会話。
『ねえ、何故あの日私たちに声をかけてくれたの？』『放っておけなかったんだよ』
森下からやさしさを感じる由利恵。
自立して子供たちのためにも強く生きていかなければ、そう決心して日々を生きる由利恵の元へ、夫の直也から連絡が入る。【全12ページ】

由利恵は『すまない、俺はどうかしてた。これからは家族のために生きるよ。
いい夫になる』と謝罪し、家に出戻ってきた夫を笑顔で出迎える。
だが、決して自分と子供たちまでをも捨てた直也のことを心から許したわけではなかった。
夫が家を出た日から自立を目指していたのだが、その後更に高みを目指して由利恵は国家資格に挑む。
その傍ら、夫が家に出戻ったあと由利恵は息子を1人儲ける。
そして15年後の自宅リビングでは、国家資格に合格をして家族に祝ってもらう由利恵の姿があった。
その横では『資格もいいけど働きすぎじゃないのか？　上の2人も手が離れたことだし、これからはもっと夫婦の時間を楽しむべきじゃないのか……』と提案する夫、直也の姿があった。【全12ページ】