プロポーズは言わないで
チェリーは信じていた男性に裏切られ、数カ月間泣き暮らした。恋人を奪ったのは、実の姉だったからだ。もう二度と恋などしたくない。ただ傷つくだけだから。気晴らしに旅行に出かけ、その後は新たな人生を歩みだそう。そう決心しイタリアをまわるうち道に迷い、運悪く車も故障してしまう。そこへ高級車で現れた男性が傲慢な態度で告げた。「ここは僕の土地だ。君は不法侵入している」見るかぎり建物など見えないこの土地がすべて彼のものですって? 反論しようと顔を上げたチェリーの目に映ったのは、うっとりするほどハンサムな顔に浮かぶ冷酷な表情だった。
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