喋らぬ本と、喋りすぎる絵画の麗人
夏期講習の帰り道、画廊に飾ってあった肖像画の麗しい美青年が、ぼくに語りかけ動き出した!?
本が喋る声を聴くことができる、特殊能力を持つ高校生の恍一(こういち)。そんな彼が驚愕と恐怖で逃げ帰った先は、父方の実家・玉造(たまつくり)家。母を失い、当主の嘉代(かよ)に引き取られた恍一は、そこで厄介な男二人と同居中なのだ。成績も身長もハイスペックで、負けず嫌いな同い年の義弟・龍一(りゅういち)と身も心も捧げる恋人契約を交わした、本に巣喰う悪魔・仰倉(おおくら)――
ヒトならざるモノたちが共生する不思議な家で、三人の無自覚な恋と色欲が保たれていた暗黙の秩序を乱していく――
※口絵・イラスト収録あり
(※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています)
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