お義兄さまの無自覚な溺愛

「聖女の座を奪ってしまって、ごめんなさいね？　エマさま」

特別な力に恵まれ、他に候補がいないことから聖女の最有力候補として聖女教育に励んできた公爵令嬢のエマ。
しかし一年前に突如として現れた聖女候補のイザベラに聖女の座も王太子の婚約者の座も奪われてしまう。

憐れみや好奇の目に晒されながら神殿を後にするも、厳しい聖女の戒律から解き放たれたことにこっそりと歓喜していた。
なぜなら、正々堂々と「お兄様」との時間を過ごせるから。義兄であるアシェルも、エマを溺愛してくるが、でもそれは妹としての愛情のはずで……？【全110ページ】

聖女の座を奪われたが最愛の義兄アシェルとの生活に満足していたエマ。
しかし、従兄セオから突然の求婚をされたことでアシェルとエマの関係性が大きく変わっていく。

アシェルのエマへの思いは、次第に甘く激しい独占欲へと変わっていく。

「僕は、君だけのものだ」
――アシェルからの熱烈な求愛に、エマの心もまた、家族愛以上の気持ちに気づきはじめ……。

王都では聖女イザベラが力の使い方に悩み、追い詰められていた。
見かねたエマは、かつてのライバルに救いの手を差し伸べ――。

聖女になれなかったことで、エマは初めて自由と恋を知った。
聖女の使命と一途な愛、エマが最後に選ぶ未来とは？【全162ページ】