カムパネルラ
何度も改稿される『銀河鉄道の夜』の世界に、僕は迷い込んだ。時空と物語の枠を超えて展開する本格SF長編。【全262ページ】
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カムパネルラ
16歳のぼくを置いて母は逝った。
宮沢賢治研究に生涯を捧げた母は、とりわけ『銀河鉄道の夜』を熱心に読み込み、否定されている第四次改稿版の存在を主張していた。遺言に従って花巻へ散骨に訪れたぼくは、土砂降りのなか気がつくと、昭和8年9月21日に転移していた。賢治が亡くなる2日前だ。
いまなら賢治の死を阻止できるかもしれない――その一念でたどり着いた賢治の家でぼくを迎えたのは、早逝したはずの妹トシと、彼女の娘「さそり」だった。永遠に改稿され続ける小説、花巻を闊歩する賢治作品の登場人物たち。
『銀河鉄道の夜』をモチーフに時間と物語の枠を超える傑作長編。/解説=牧眞司
(※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています)
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