
オーディオブック アンゴウ
復員し、今は著名な出版社の出版部長を務める矢島は古本屋で、かつて自分が所有していたことのある一冊の本を見つける。なにげなく開いてみると、そこに一枚の紙がはさみこまれていて、暗号らしき数字が書きつけられていた。矢島はそれを買い求め、暗号を解読していくのだが、やがて彼のなかにある疑惑が生まれてくる。自分の出征中、友人の神尾とわが妻タカ子との間に人には言えぬ関係があったのではないか、と……『明治開化 安吾捕物』などミステリー小説も多く書いた安吾らしい、しかしラストにしみじみとした情感をもたらす逸品です。
■朗読:矢澤亜希子
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