レビュー一覧

私は一穂ミチ先生のファンなので、たぶんどの作品を読んでもツボなんだと思うけど、受が寂しさや孤独を抱えて生きていて、攻が丸ごとそれを受け入れてどストレートに愛情を注いでくれるお話が特にたまりません。受がクールなのに天然で不器用でちょっとポンコツ気味なのがたまらなく可愛いと思いました。いつも、主人公二人がどうやって恋愛に発展してセックスにまで辿り着くのか想像できず、なのに自然に結びついててアリになってるのが不思議です。面白かったです。イラストも草間先生で独特の儚さと色気があります。

一穂さんも草間さんも大好きで、５をつけたい気持ちを抑えつつ3.5くらいって感じで。他の一穂さんの作品と比べてしまうと、正直言って３くらいな印象だったりもするのですが、逆に他の作家さんと比べたら４だし、みたいな複雑な気持ち。二人ともノンケなんですが、ノンケ同士が深く想いあうためには、もう少し強烈な理由が必要かなあっていう気がしました。あるいは、二人ともノンケだと思ってたけど、実は違ったんだよね、気付いて良かったよねって強く納得させてくれるエピソードとか。受けは高校の時から一人の女の子と付き合って結婚までしたわけだし、攻めは女と遊びまくり。そんな二人は、案外簡単にくっついちゃうので。いまひとつ、どちらにも肩入れできないまま、終わってしまいました。なんか、この二人はこれからって感じがするので、攻めが、ああいう受けを溺愛しまくって、もう、可愛がりまくって、嫉妬しまくってる番外編は読みたいかな。あと、二人はお互いを名字で呼び合うのですが、本文は下の名前で表記されています。読んでいるうちに、どっちがどっちだか分からなくなっちゃって、あれ、今どっちが何されてるの？って混乱したことが数回ありました。

間違いのない作者さんなので期待を込めての読書。一穂先生らしいじんわりと沁みるような、ほかほかあったまるような文章がいっぱいで満足です。

作者買いです。どの作品も深くって、丁寧で・・・シリアスさとコミカルさのバランスがよくって。このお話も、例外ではなく、楽しむことができました。

出会いはなんでもない2人ですがそれぞれ真逆の立ち位置から恋におちるまでです。

あまりにも言葉選びが巧みすぎて、セックスが全然エロく感じられないのは、辛い。なんだろうこの矛盾。でもとっても面白いです。

絵とお話がマッチしてて、ゆっくり楽しめました。確かにお互い出会うまで、出会った時も、女性に向いていたのに、ちょっとしたことで同性に気持ちが動くところがあっさりで、しかも葛藤もない、そんなのでいいのか？と思う部分もありましたが、葛藤が長々続くのもアレなので、あっさりと読むにはいいと思います。攻めの想いが強いので私は好きです。

さすがミチ先生、とても面白かったです。二人の性格がちゃんとそれぞれの台詞に表れていて、人物像がしっかりと造り込まれている感じがしました。ただひとつ、ノンケがノンケと恋に落ちるってことはすごいことだと思うので、二人の心がぐっと近づくようなエピソードがもう１つくらいあっても良かったかなと思いました。あ〜作者様の未読の作品がどんどん減っていく…、作者様、素敵な作品をどんどん発表してくださいね！！

二人が両想いになる前後で攻め、受けの両方の視点で読むことができるのでゲイでない二人がどうやって惹かれ合っていったのか、その過程がとても丁寧に書かれていて納得でした。矢神さんのコミュニケーション能力の低さとか不器用さに共感を覚えるので、あー、わかるなあ...としんどくなる部分と座波くんみたいに接することができたらなという憧れのようなものもあって、とても楽しく読めました。二人とも愛しいです。

一穂先生の作品はどれも大好きで、この作品も作者買いさせていただきました。今までにいないタイプの受けが新鮮で、またふたりが結ばれる過程も独特のアプローチで面白かったです！！