さよなら一顆
それは7月3日、涙の日と言われる日だった。中古貴金属買取店に勤める座波(ざは)は、閉店間際に婚約指輪を売りにきた男性客に気まぐれに夏みかんを振る舞った。無表情で淡々としていた男がふいに「おいしい」と言って涙をこぼし、その出来事は妙に印象に残った。だが数日後、ホテル街で女にひっぱたかれた場面を、件の客・矢神(やがみ)に目撃され……? 愛を見失った男と心を見失った男の、センチメンタル・グラフィティ。
※こちらの作品にはイラストが収録されています。
尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。
(※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています)
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