竜王の婚姻【イラスト付き】【単行本書き下ろしSS付き】

レビュー通りの壮大なファンタジー。長編なので国や人物の横文字を覚えるのは大変だけど、独自の世界観が確立されている上に、数多の登場人物それぞれの個性が強めでイメージしやすかった。冒険や戦闘、権力争いなどの要素だけでもハラハラドキドキの展開で面白い。ラブロマンスの部分は切な過ぎてとても辛くて号泣。最初は皇帝の第一印象なんて最悪で、うわ！この人嫌い！って思ってたのに、物語が進むにつれて、こんな深い愛ある？って分かってきて辛くて何度も号泣した。護衛官の悲しい物語も心を抉るし、もうみんな幸せになってぇぇぇって、ただひたすら願いながら読んだ。物語には哲学的な部分もあって人間の業についても深く考えさせられる（それがまた辛くて切ない）。重い展開が続くけど主人公のセナが肝心な所で強いところが好き。優しいとか優等生とかのご都合主義的な人物像ではなく、みんなそれぞれ癖があって人間臭い人たちばかりで、そこも良かった。そして何より表紙や挿絵のイラストが壮大な物語の世界観に完全に一致していて素晴らしい。美麗な世界が視認できて切なさが増す。繰り返し読むには重くて辛くなる作品だけど、きっとまた何度も読み返すと思う。読み応えのある素晴らしい作品でした

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タイトルだけ見た時には量産型ご都合展開ものかなと思ってサンプルから読み始めてみたら、ちょっとした脇役までキャラクターがしっかり作り込まれていて、それぞれが物語の中で苦しみもがきながら生きて動いてる感じがすごくてあっという間にハマった。物語がめっちゃ濃ゆくてリアルな不条理さもある分、読後はちょっとビターで完全にすっきりするわけではないので、わかりやすい展開による爽快感を求める人だと消化不良に感じるところはあるかも。

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上下巻ともに読了しました。読後感を一言で言うならば「圧倒的」。その重厚且つ繊細なファンタジーの世界は、海外ならば指輪物語、日本で言えば十二国記に比肩すると思います。上巻から張り巡らされた伏線が下巻で目を見張るような収拾をされ、作者さまが一体どのようにこの物語世界を構築したのか執筆のビハインドまで気になりました。もちろんBLで濃厚な場面もあるのですが、この物語では、それがBLでなければならないという確かな意味があります。そのむつみ合いにもそれだけの激しさを秘める意味があり、またそれがある予感を抱かせてせつない。正直、攻めとか受けとかの言葉など使うのを躊躇わせる、人の心の奥深いところが描かれています。登場人物も多彩で、主人公たちだけでなく、端役に至るまで人物造形が細部までしっかりしているのも魅力です。もちろん主人公の(心の)両隣に立つ2人の人物の魅力はそれこそ圧倒的。そしてせつない。また、この物語は現代のリアル社会に通じる問題も浮き彫りにしていますが、それをしっかり物語の世界観の中で、物語として語っているところも印象深いです。いずれにしろ一読巻置く能わず。毎晩(毎朝？)4時就寝になりました。作者さまの並々ならぬ力量に深く傾倒。名作だと思います。ありがとうございました。

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設定も世界観もキャラクターも全て天才すぎる！と思うほど面白かったです。攻め2人の場合、もう一つ世界線があって、スピンオフでもう1人と結ばれるってやつを読む前にちょっと期待したのにうわーーん！残酷だ。耳と尻尾出して我慢してるイザク可愛すぎてつらい。恋情というより慈愛の正体は幼子をいたわる気持ちのような気がしてたんだけどちゃんと恋愛だったんですね。セナの慟哭が苦しすぎた。ドキドキハラハラを小説で久しぶりに味わいました。脇役もとても魅力的で小山田先生のイラストも奇跡のように美しくて最高でした。

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面白いを超えてすばらしいです。設定がものすごく練られていて、世界で有名なファンタジー小説たち並みの仕上がりになっています。なのでさまざまなところに伏線があって意味のない設定がないです。三角関係ではあるのですが「私のために喧嘩はやめて」とかいっておろおろするタイプではないので多角関係苦手な人も対丈夫です。王子は守られる立場ではあるのですがあくまで立場がそうなだけで王子強いです。鳥もさばけます。でも王子なのでお茶のいれかたは知りません。私は表紙から苦手分野かもなーと躊躇してたのですが全然大丈夫でした。あとこれだけ言いたい。ファンタジーにおける小人は癒しですね！

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