Under the Rose(3) 春の賛歌
この作品の他の巻
Under the Rose
作品詳細
- 発行 幻冬舎コミックス
- ジャンル 少女漫画:歴史・時代/ミステリー・サスペンス/王族・貴族
- 年代 2000年代2010年代
- タグ 〜100ポイントレンタル殿堂入りスタッフオススメ
- レーベル バーズコミックス デラックス
- シリーズ Under the Rose
- 紙初版日 2003年10月24日
-
レビュー
4.6 (94人)
19世紀英国。没落貴族である侯爵家の娘・グレースは愛人のロウランド伯爵宅で謎の死を遂げた。彼女の息子ライナスとロレンスは実父のロウランド伯爵に引き取られるが、ライナスは母の死にロウランド家の人々が関わっていると疑念を抱く。真相を究明しようとするライナスの孤独な闘いが始まった――。
(※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています)
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みんなの感想
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エディターのおすすめ
ローマ神話では、キューピッドが母親であるヴィーナスの名誉を守るために、沈黙の神ハーポクラディーズにバラを渡して、母親の情事を口外しないように頼んだ話があります。それから、「under the rose」は「秘密に」という意味になったそうです。
最初のストーリーである「冬の物語」は19世紀の大英帝国を舞台として、ライナスという少年(当時11才)の視点から展開されます。母親が愛人のロウランド伯爵邸で謎の死を遂げた後、弟と一緒に伯爵に引き取られたライナスは母親の死因を探り出そうとしますが、事件関係者は皆何かしらの秘密を抱えているように疑わしく感じられます……どこにでもある推理×復讐劇だと思って読み始めましたが、話の展開にともなって登場人物の秘密が次々と明かされると、真実は合理的でありながら胸が痛くなるほど残酷でした。
『under the rose』は決して気楽に読める作品ではありません。この世界に極悪な人は一人もなく、どのキャラでも愛を求めながら愛に傷つけられている繊細で複雑でいきいきしている人間ですが、時代や身分に翻弄されたロウランド伯爵一族の悲劇はずっと前から種が蒔かれて、かろうじて維持されている平穏な日常も子供たちの成長と共に崩壊し始めます…
連載中の本編以外に、ロウランド伯爵家の子供たちが大人になってからの物語を描く同シリーズ作品、『Honey Rose』もおすすめします。本編に先立って発表されたこの作品では、後日談としての面白さはもちろんのこと、『under the rose』の一部登場人物の結末が載っているので、ネタバレが知りたい方や本編よりちょい癒しを求めている方にもお楽しみいただけます。
(編集:リリー|作成日:2016/6/28 )