月は地獄

ついポチッとしてしまった…サバイバルもの、色々と考えさせられる。時代の雰囲気が良いですね。最後に希望が託されているように感じますが、どうなんでしょう。今ならまた違うストーリーになりそう。火星の人みたいな？

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無料サンプルで閲覧できるように本作はロケットが突然融解するシーンから始まります。この導入部に驚かれた方も多いと思いますが、仮説こそ立てられるものの結局明確な原因は分からないまま終わります。また主人公たち以前に月面を探索したチームの人員が軒並み精神的な病を患う描写があるのですが、これも原因は不明確です。おそらくロケットの融解と精神疾患の原因は共通した“あるもの”だと思われます。しかしこれは作中で全く重要ではありません。ロケットの融解は危機的な状況を演出する舞台装置でしかなく、遠く離れた地球にいる元探索チームの健康状態は物語を読み解く上で必要な情報ではないからです。ミステリーではあるのですが、謎が明かされるわけでもなく非常にもやもやします。個人的に気になったことは主人公たちが精神的にあまりにたくましいことです。絶望的な状況でも己の使命を忘れず、それを全うするためであれば自己犠牲をも厭わない献身的な性格。緊迫感はあるのですが狂気は微塵も感じられず淡々と物語が進んでいきます。「仲間を殺しても生き残ってやる！」というキャラは今日では珍しくありませんが、そのような自己中心的な人間同士の争いが発生しないことに時代の変遷を感じました。過激なシーンの規制について騒がれる昨今ですが、当時は当時で誰もが持つ醜い部分から目を背けていたのかもしれません。

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子供のころ読んだつもりだったのですが、内容は忘れていました。改めて読んでみると桑田次郎氏の冷静な描画もあり、深い印象を受けました。

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クレジットされていませんが古典的名作SF「月は地獄だ！」を脚色した上でコミカライズしたものです。原作に加えかなり短い上に、地球における人間模様も加味したストーリーになっているので、原作の息つまるサスペンス風味は少なくなっています。

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