小さなお茶会 完全版

本書の中にも使われていますが、「時が満ちる」という言葉があります。
「ぷりん」と「もっぷ」という猫の夫婦が紡ぎ出し、多くの人々の心を豊かに満たした不朽のメルヘン『小さなお茶会』は、いろいろな意味で「時が満ちる」ことで結晶した作品です。
少女マンガが、少女をきらびやかに飾るための作品から、少女の、さらには人間の心の揺らぎに沿った作品へと深化していったとき、『小さなお茶会』は誕生しました。
当時、「ぷりん」と「もっぷ」の夫婦が繰り広げる、繊細で、豊かで、優しく、温かく、そして不思議な世界に多くの人が魅了され、癒されました。
また華麗に描きあげられた私たちの宇宙の不思議に慄かされ、驚かされました。
この時、『小さなお茶会』は少女マンガの到達点という、「時を満たした」作品として誕生し、少女マンガの枠を軽やかに超える普遍的な感動を与えてくれました。
そして今、再びこの作品の時が満ちてきました。
私たちはとても生きにくい時代にいます。
どこか窮屈で、孤独で、ともすれば自分自身の時を失いがちです。
そんな索漠とした思いを抱くとき、再びこの作品の輝きが、私たちにおりてきて、豊かに私たちを照らしなおしてくれます。
懐かしく、温かく、時にはぞっとするように……。
初めての方も、再読の方も、「ぷりんともっぷ」の世界の扉を開けれてください。不朽のメルヘンだけが持つ至高の世界が待っています。

（※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています）

レビューPICK UP

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• 5

  まりりんさん

  2024-11-16
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  懐かしくて、レンタルしました。初めては中学生でしたが、ファンタジーの世界観が今読んでもピュアな気分で癒されます。中学生の頃こんな夫婦に憧れました。

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• 5

  こばおさん

  2022-03-13
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  子供の頃に、習い事の先生が待っている間の時間つぶし用にと置いてくださっていたのを思い出します。お茶会という毎日の営みを通じて語られるのは、ファンタジーだったりポエムだったり日々の営みだったり。そのどれもがミルクティーのように優しく溶け合って一片の物語になっています。

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• 5

  あきさん

  2020-05-26
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  ほのぼのしてて心温まります。なんとなく昭和の時代の香りがします。

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• 5

  なつるさん

  2020-02-06
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  可愛いお話です。昔、読んだ気がします。久しぶりに読みたくなって購入しました。

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• 5

  reiさん

  2020-02-05
  ※このレビューにネタバレが含まれています。

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  子どものころ、兄妹で繰り返し繰り返し何十回、何百回と読んだ懐かしい大好きな作品です。さりげない日常のメルヘンでいて、ときに考えさせられ、ときにビタースイート、大人になってから読んでも新鮮で、子どものときよりも、より深く豊かな気持ちになれた気がします。皆さん言ってらっしゃいますが、本当に独特の世界観があって、それが本当に素敵なのです。唐猫骨董店、「海の底の国」、数学の塔、謎かけ石、ユニコーンの角、カブトムシの夫婦。魔法のように注がれるお茶に、立ち上る湯気。もっぷは理想の旦那様、ぷりんは理想の奥様、たろじろくんのママは理想のお母さん、猫たちの日常は、私の理想の生活です。

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