怨霊館の惨劇
大学のオカルト同好会に所属する中井悠介は、五人のサークル仲間とともに、信州の山奥にある廃墟ホテルを目指していた。ところが途中、豪雪によるホワイトアウトで目標を見失い、極寒の雪山で遭難してしまう。霊感を持つメンバーの一人が不吉な予感を覚えつつも人家を探し当て、辛くも凍死の危機はまぬがれた一行。だが、たどり着いた先は、禍々しい瘴気を放つ巨大な建物──「怨霊館」と呼ばれる古びた洋館だった。そこで悠介たちを迎えたのは、まるで魂を宿していないかのような双子のメイド、虚と無。そして、不気味なゴムマスクをかぶり車椅子に乗った館の主、九条崇であった。温かい風呂に、豪勢な食事と、予想外の歓待を受け人心地ついた六人だったが、常軌を逸した九条のコレクションについて聞かされたあたりから雲行きは怪しくなる。悠介の姉の秘密が九条の口から語られた頃には、全員が置かれた状況の異常さを実感していた。きわめつけは、一人一人に割り当てられた客室だった。何と、それぞれ現実にあった、自殺現場、轢死現場、殺人現場などを完全に再現した部屋になっていたのだ。首を吊ったロープから、人が轢かれた線路、一家を皆殺しにした凶器まで、すべて「本物」が用意された、怨霊の間。そこでは、オカルト否定論者の悠介をも震え上がらせる怪異が連続する。やがて、目の前に姿を現す夥しい数の怨霊たち。しかし、それすら「魔道師」九条の大いなる目的を果たす歯車の一つにすぎなかった……。
這い寄る混沌に千体の怨霊を捧ぐ……鬼才・梅津裕一が満を持して放つ、超進化系絶恐クトゥルフ奇譚!
(※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています)
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