恋を封じたプレイボーイ バロン家の受難 I

■瞳に燃えたぎる怒りの炎。彼の過去に何があったの？

■ゲイルは子守り（ナニー）になるための面接を受けに、名門バロン家を訪れた。最近、長男ニコラスに幼い娘がいたことが発覚し、仕事に忙しい彼の代わりに、娘の世話役が急遽必要になったらしい。ずっと兄の意向に沿った人生を送ってきたゲイルにとって、ナニーはひそかに憧れていた職業だった。希望に胸を躍らせ、面接の開始を待っていたとき、そこに現れた長身の紳士に彼女は目を奪われた。彼が、かの有名なニコラス・バロンだわ。うっとりとしているゲイルに、彼は冷たい目をして質問した。「いったい君に子どもの何がわかるというんだ？」

■十二作家競作でお届けする『バロン家の受難』は、アメリカに根を張ったイタリア系の名家の物語です。ボストンの地元紙の社交界欄やビジネス欄を賑わす人々の華やかな恋と、何者かが一族を狙って巻き起こす事件の数々……。現代版『ロミオとジュリエット』が今、幕を開けます。どうぞお見逃しなく！

（※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています）

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