レビュー一覧

ロマンス性は低いものの失った記憶が明かされていく様はミステリー小説を読んでいるような秀逸さがありました。この作者さんは物語を上手に展開してくれるのでいつも買って損はないです。ただ、ちょっと物語的にきゅんとする甘さがなかったので−★1つです。

ミステリーサスペンス？ヒーローは記憶喪失ではなかった。ヒロインを連れ戻すため？弟が絡んでいたり、母と妹の事故死やらエピソードが多くハーレーだけど甘い所は少ない。けれどヒーローがヒロインを愛してるのはよく判る。ヒーローが自分の名前を言うとき、リーアム（息子の名前でもある）とはっきり言ったのは思い出して欲しかったからなのね。ダメだったけど。。。。

記憶をなくしたヒロインも、ヒロインを探したヒーローも悲しいです。読んだ後、余韻に浸ることができました。黒田先生でなければこんな感動はないと思います。

親を亡くしたのと、更にもっと辛い経験が偶然にも似たようなシチュエーションだったので、心が耐えられなくなったヒロイン。そこに弟の私怨やら画策が入り、更に記憶を失うというアクシデントが重なり…と盛りだくさんだったので、面白かった分、恋愛どきどき要素が少な目でした。ちょっとしたドラマを観ているようでした。

話の展開がめまぐるしく変わる作品、しかも時制が行ったりきたりと揺さぶられながら進んでいくため、次はどんな展開になるのかドキドキします。最後にやっと、お互い何に苦しみもがいた年月だったのかが明らかになり、霧が晴れた感じが味わえます。盛り上がりは全体的に激しくなく緩やかですが、主人公達の心理的幸せを穏やかに感じられるかも？

記憶の１部を無くしたまま２年のヒロインの元に記憶喪失の男が居候する事になりますが、実はヒロインの夫でした。ヒロイン弟が良かれと思い、真実を隠していました。その弟も半グレのようです。複雑に色々な事が重なっているお話でした。

ヒロインを追いかけてやっと出会えたけど記憶喪失。どんなにヒーローは辛いだろう。愛する我が子をなくし、愛する妻が見つからない。もっとヒーローの心が見たかった。

「君とは仕方なく結婚したんじゃない」ってはっきり言っているのに、なんでヒロインは勝手に「赤ちゃんがいなければ私とは結婚しなかったかもしれない」って思うんだろう。謎。

　すごいサスペンステイストでした。　弟はちょっとあっさり対応しすぎてる気がしないでもないけど、登場人物がみんな優しいですね。　ヒロインもヒーローも、苦しみの中にいて、ものすごく長く感じました。　とても内容が濃いです。とにかく人間ドラマですね。

タイトルを読んだ時から、シリアスな話かな、と思ったけど、予想以上に切ない話でした。ヒロインの過去を知って、記憶を失うことがある意味、幸せだったのかも、だって、あまりに悲しすぎて。でも、やっぱり前を向かなきゃいけないんだ、ということもヒーローの言葉で納得しました。