レビュー一覧

倒産しかかった銀行を立て直すため、ヒロインは継母に無理やり着飾らされ、大金持ちのヒーローの前に突き出されてしまいます。二人ともずっと疑心暗鬼で、読んでいてちょっと疲れました。

父親が再婚した若く美しいが強欲な継母に邪魔にされ、修道院で生活していたヒロイン。心臓病に冒された父親の銀行が経営不振に陥るや否や継母はヒロインを呼び戻し生け贄さながらに銀行へ投資をさせたい大富豪のヒーローの前に着飾らせて引き出した。ヒーローは最初からヒロインを継母から守り、妻にしたいと思っていたと最後に彼女に告白しましたが、ストーリーの途中は、彼の気持ちがよくわかりません。年上でなんでも揃っている高潔な彼でも本気で誰かを愛してしまったら、不器用になってしまうのですね。ヒロインも修道院という世間から隔離された場所で生活していたし、若さゆえにヒーローに惹かれてはいるけれども、自分の気持ちを持て余している感情がとても痛々しかった。いくつかの誤解が二人の溝を深めてしまうのですが、最後にはやっとお互いの気持ちを話し合い、最初からやり直すことになりました。二人のハッピーな結婚生活がもう少し描かれていたらもっと楽しめたと思いますが、ページ数の関係上、仕方がないのでしょうか。