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レビュー一覧
ブルーカラー・ブルース
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2025-09-18
決して絵が上手なわけではないのですが、訴える力のある作品です。作者の八方ふさがりな感じ、絶望、疲弊しつくした感じが伝わってきます。その一方で、作者なりの納得する出口をみつけられたので、よかったです。この作品を初めて目にしたのは、１５年くらい前、コンビニでの書籍コーナーでしたが、あの頃は氷河期が雪解けてきたころでした。とはいえ、まだ働き方改革という掛け声はなく、この作品の青年のように私もブラックな労働環境におりました。厳しい成果主義、徹夜も当たり前の環境で、濁流のなかをつま先立ちで渡っていて、いつ流されてしまってもおかしくない…そんな環境でしたので作者と業種こそちがっていても、おかれている状況はとてもよく似ていて、共感と励みになりました。あれから１５年近く過ぎ、改めて書籍をよんでみたのですが、感慨深いものがあります。（私も１５年がたち５０代になりましたが、FIREの道すじを立てることができました。病んだこともありましたが、苦労したことは後悔していません。）
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ひねくれた視点やシュールなところが少なくて、ひたすら真面目で繊細であることから傷つく心を丁寧に描写している点がむしろ個性として輝いていると思いました。仕事場の殺伐とした空気感が誇張なく直球で伝わって来ます。かといって批判に終始せず、人間相関図や仕事の段取りを客観的に描いている点も興味深いです。同じ作者さんで別の体験談も続編として読みたくなりました。