レビュー一覧

面白かったです。小野不由美さんの「十二国紀」のような世界観で、話もしっかり作りこまれていて、ＢＬ限定ではもったいないぐらいの完成度でした。異国へ飛ばされた主人公（受け）が鬼の王の番（つがい）である華玉である・・というところから話は始まりますが、受けは流されることなく、自分の目でみて考えて王と向き合っていきます。最後まで世界観をぶれさせることなく、しかも無理がなく、クライマックスのＨシーンも必然でした。この著者さんの筆力に驚くとともに、他の作品も読みたいとおもいました。

冒頭から、攻、受という概念が無くなり、BLを読んでいる事を忘れました。質の良いファンタジー小説として(二番煎じではない、しっかりとした世界観)楽しめるのではないかと。ファンタジー設定のBLでありがちな、受を女の子に替えても成り立つ話ではなく、主人公の冷が少年であるからこそのキャラクター。登場人物も多いのに、それぞれのキャラが生きていて、そこも素晴らしい。作者さんの二冊目とのことで、多少、文章のくどさは否めませんが、これから色々な分野に活躍されていくのではないかと期待しています！

いい意味でBLらしくない、読み物として面白い作品でした。エロはかなりあっさりなので、それ目的だと楽しめないかもしれません。少々硬めな文体。受の玲に対する攻の刹那（だけじゃないですが）の態度が最初はかなり理不尽ですが、徐々に心を開いていく様がきちんと読み取れるのと、刹那を囲む状況が切なくて苦しくなります。もう少し玲の気持ちや状況を汲んでくれても…と歯痒くなる場面も多々ありますが、本人が心情を吐露しないので致し方ないのかな。言わなきゃ伝わらない。刹那も玲も言葉と伝える努力が足りない感は否めない。わりと早い段階で敵は読めちゃいますが、内容が面白いので引き込まれました。最初こそ玲にとって敵か味方かわからないような飄々とした陽が、最終的には刹那と玲の良き理解者でいてくれて、何だか安心しました。

レビューの評価が高かったので、購入してみたのですが、内容を読んでみればあんまり大した内容ではありませんでした。確かに、一部の特に最後のシーンの携帯のメールの描写はよかったのですが、他の主人公の気持ち部分が、書くの下手くそかなと感じさせられてしまい…最初の部分の心情描写が下手くそで、また主人公の行動においてストーリーを顧みても不可解な部分もあり、あまり高評価をつけようとは思いませんでした。

帰りたいけど帰るのにはハードルあってという異世界ものですね。

うーんたしかに、設定や単語などから十二国記という他作品を連想する機会の多い作品でした。私は、そのせいで100%楽しめなかったかも。純粋に楽しめたらよかったのになぁと思いました。

レビュー評価が高く買ってみました！ファンタジーものは元々好きですが、とても好みの文章でした！絵も綺麗だし、ストーリーもしっかりしてます。ただ主人公が育ってきた環境のわりに少し流されやすいもう少し強くてもいいかなと思いました