レビュー一覧

キレイな文章で綴られています。ただ、章タイトルがキレイ過ぎるというか雰囲気を出し過ぎているというか、その度に目が止まり話に乗り切れないのが少し残念でした。また、いくら素養があったとか一目惚れだったとか理由をつけてもあのタイミングで期間限定の恋人になることをすんなり受け入れすぎじゃないか？とか、爽やかで善良な空気を醸してるのに期間限定の恋人に手を出すのはOKなのか？とか、細かく気になる所もありました。しかし、やり方は違えどもゲイである眞山を受け入れよう、支えよう、理解しようという登場人物たちであったこと、不慣れな2人が探り探り距離を縮めていく様子が微笑ましかったこと、作品を通して感じる澄んだ繊細な空気感が良かったです。

作者さん買いです。過去の出来事を心の傷にしている大学生カップルの話です。お互いが一緒に過ごし、語らっていく中で、心の傷を癒やし、前向きに生きていく様子が描かれています。途中、切なかったり、辛かったり、と胸が締め付けられるシーンもありますが、とても清々しい結末を迎えます。

今回はまた違った意味で心が痛くなるお話でした。多少、ご都合主義的なところもあるんですけど、まだ大人になりきれてない、親からも独立してない、もどかしい2人の恋のお話です。2人の気持ちは深いのに、簡単には前に進めない、お互いを思いやるほどに気持ちはすれ違う、そんなお話でした。ちゃんとハピエンで良かったです。

先輩に向けた志生ちゃんの想いがもう真っ直ぐ過ぎて痛い…と感じてしまう程に溢れてる。自分を否定せずすっと受け入れてくれた先輩に気持ちが傾かないはずもなく、二人を見守るお散歩サークルのメンバーが兎に角素敵。それでも一番の理解者は家族であって欲しいと願わずにはいられない。

先輩の恋愛への葛藤、トラブル対応。どちらも現実みがあって読んでいて疲れた。でも、どちらもドラマチックではなく、現実的な結果になったのでホッとする。弱さと格好よさが交互に出てくる先輩だった。そしてそんな先輩を変えていく、そして自分も変わっていく志生くんの弟らしい素直な甘え上手な真面目さがすごく良かった。最後に読んだ日記で、それまでの疲れが吹き飛ぶ感じ。

何か、何か、とても可愛らしい大学生ふたり。それぞれの事情により、少し臆病なふたりが、お互いに思いやりをもって接して、救われて。慈しみ合える存在を見つけれた、そんなやさしいお話でした。大人になったふたりを読んでみたい！

これは長いですな。ほのぼの系というか。ようやく起伏だと思ったら急にイチャイチャして終わってしまって。でもさすがの丁寧な文章で温かい気持ちになりました。