レビュー一覧

『ざ・ちぇんじ』『なんて素敵にジャパネスク』で強力タッグだった「山内直実／原作・氷室冴子」作品の、最後の作品と言ってよいでしょう。前二作とは雰囲気が異なる、悲しい物語です。山内直実と一緒に氷室冴子先生を偲ぶ、そんな作品だと感じました。星のマイナス１は、前二作の絵柄の方が、個人的に好みだからです。

氷室先生原作山内先生作画のコミックはコメディ色の強いものが多い中、これはかなり女性の苦悩やままならぬ生き方を真っ向から描いたシリアスよりな作品でちょっと異色かもしれませんが、でもやっぱりいろいろ考えらされられる作品で、読みごたえはすごくあります。そもそも原作の氷室先生の小説自体は、こういうシリアス作品も多いですしね。

切ない恋の話なんだけど、権力闘争がすごいからみかたをしていて、古典の奥深さというか凄みを漫画でかじれる何とも表現しがたい話。よくぞマンガにしてくださいました

いろんな人の自己中と生い立ちからくるヒネクレの色んなカタチを平安時代の優雅な舞台で描かれている。な作品です。 平安時代なのにみんな大変だねーと感じさせられました。

私の平安好きを大いに邁進させてくれた氷室さん＆山内さんのコンビ。ジャパネスクとかで平安が面白そうだな、と思わせてもらったけれど、本来のもの哀れの世界はこうだよ、というような、やりきれなさを静に伝えてくれたとこにこのコンビの集大成があるのかなと思う

静かに物語は進みます。ジャパネスクのように怒濤の展開はありません。主人公は私から見たらあざといとか言うよりちょっと頭が弱い子に見えます。それも何もかも受け入れているある意味達観した主人公です。

平安時代の普通のお姫様って、こんな感じなんでしょうね。後半いろんな点が線で繋がって面白かった。

だいぶ前になりますが、季刊コバルトに掲載されていた原作書き下ろしを読んだことがあり、懐かしくて購入しました。他作品の、なんて素敵にジャパネスクやざ・ちぇんじ!とは全然違い、コメディや笑いの要素は皆無ですが、淡々としながらも大人のしっとりした哀しさ、愛しさ、儚さを味わえる作品です。誰もがみな哀しみやしがらみを持ち、それでも自分の運命を役目を水に流れるように、且つしたたかに生きていく。人生とはそういうものなのかもしれないですね。

ジャパネスクの作者さんの作品なので購入しましたが、いまいちでした。

作者買いすると後悔する作品かも知れません。ストーリーが地味ですし、絵も他の作品のようにキラキラしていません。平安時代の女性を描いた短編小説だと割り切れば、悪くはないと思います。