レビュー一覧

この頃からでしょうか先生が歴史物に目覚めたのは。そういうことは関係なく面白いです。

コミカルなシーンはないので、シリアスな話が好みではない人には向いていないですが、表題の話はクオリティの高いミステリィでした。

「ケルン市警オド」からこちらを見付けました、私の大好きな世界をまたぐ国際色豊かなストーリー展開。他の作品もどんどん読んでいきたいと思っています。

少女漫画の枠の中での、重厚な愛とミステリー。今、こんな作品を少女漫画の世界で描ける作家さんはいないだろうなぁ。

表紙はエロイカの伯爵ですが、もっと深いお話が２本載っています。大作家、青池保子先生のすごい才能に再び気づく作品です。「エロイカ」と同じ年にお描きになった、とのこと。あのＮＡＴＯのサド目の少佐や東西冷戦と言う凄い事を描きながら、この大名作までお描きになっていったとは！青池先生恐るべし。「アクアマリン」は最初からグイグイ引き込まれます。アガサ・クリスティの小説のような素晴らしいストーリィ。イケメンと美女、美少年も出てきますが、悲しいお話だと思います。「エピタフ・・・墓碑」は、題名から何となく想像してください。一人の作家がここまでストーリィも絵も描ける、凄い事だと思います。本当に漫画家さんで物語はアガサ・クリスティ。

小説を読んでいるような気分になります。今の少女マンガと質の違いを感じる作品で、何度も読み返してしまいます。