レビュー一覧

久しぶりに再読、評価があまりに低いのに驚いて書き込みます。主人公雅弘の心情が丁寧に、冷静に、書かれていきます。自分に自信のない雅弘の心の動きが痛いほどわかります。初めて自分の好きな人と想いが通じる歓喜、嫌われたくない不安と動揺が、淡々とした筆致ながら胸に迫ってきます。出来事が盛りだくさんなのに今ひとつ盛り上がりに欠けるのは否めませんが、純粋で苦労人な二人がお互いだけを見つめ合っていることを何度も何度も確認する、ハッピーストーリーです。冒頭から中盤まで描かれる雅弘の試練も、淡々としながらスパイスとしてなかなか楽しめます。もっと評価されていい作品だと思います。

著者買いです。悪くはないのですが、ＢＬはお互いが惹かれあい、恋に落ちるまでが醍醐味だと思っているので、あっという間になんとなくくっつくのは解せない感じでした。（とりあえず体の関係・・は私はあまり好きではないので）くっついてからの二人もそんな感じでくっついたので、なぜ自分なんか・・・？と疑心暗鬼。（受け本人がそんな感じですから。）くっついてから本物の恋人になるまでは、しっかり描いていますが、そもそも受けのどこに攻めが惹かれたのかが、最後まで読んでもわかりずらかったです。

基本甘い空気なのですが、それぞれの心情が不安定なので、四季を表現してる割にはずっと憂鬱な梅雨みたいなイメージです。職場での揉め事や当て馬、過去の清算など事件？は多いのですが、多い分だけサラーッとしてます。受も相当ネガですが、攻も感情がまったく読めません。Hもアッサリなので、作者買いでない方は物足りないかも。

なんだか全てが唐突で、話に深みが全くありませんでした。話の4分の1程度で両思いになり、その後は季節ごとの小話という形ですが、どれも受けがネガティブ思考で、同じパターンの繰り返し。攻めが受けのどこに惹かれたのかも全く説明されず、何の印象にも残りません。

みなさん書かれてますが、二人がくっつくまでが早いです。その後のつまらなさったらないです。