『ノーモアベット』のスピンオフで、この作品だけでも問題なく読めますが、前作の主役がかなり脇で出てきますので作品をより楽しむために『ノーモアベット』>『ワンダーリング』の順番で読むことをお勧めします。さてワンダーリングですが前回のポーカーからこちらはルーレット。1つの玉が38の異なる場所に落ちるという単なる偶然のようなゲームですが(もちろんディーラーがある程度コントロール出来るというのは聞いたことがありますが)いろいろなストラテジーがあるのですね。そこのところは興味深く読めました。ワンダーリング=雪の生き方を導いたルーレットでしょうが、同時に人生の巡り合わせや運命、人と人の繋がり、家族の輪なども表しているのではと思います。ただ主役である雪…なんでここまで?と思うくらいの藤堂(九耀)氏に対する冷淡さ!天邪鬼、小悪魔、家族の結びつきに対する臆病さ、ツンデレ…うーん、そんな可愛いもんじゃない。何て言ったって「4600億年後も嫌い」ですもの。『Off you go』の佐伯氏をうんと若くして更にスパイシーにしたような…一穂さんお得意のウィットに富んだ会話のキャッチボールも楽しめる以上に、雪の態度の悪さに藤堂が気の毒になったりして。これだけ全然心をを開いていない(風にしかとれない)雪が、最後で見せる藤堂に対する想いが唐突に感じるほど甘い部分に欠けていました。だからかH部分も雪>藤堂への愛が見えにくい。噂によると同人誌で、この2人のSSがありそちらでもう少し彼らのエピソードが読めるらしいのですが、本編内にもほんのちょっとのデレ(藤堂に気づかれないところでいいから)を入れて頂きたかったです。ということで一穂さん大好きな私にとっては、★が少ない作品となってしまいました。
一穂ミチ先生は作品によってはすごくすごく好きで、何度も読み返すことも多々あるのですが(「ステノグラフィカ」、「イエスノーシリーズ」等)、時々ある「魔性受」が受け入れられません・・・「off you go」もこっち系統のカプだったかと。とにかく二人の関係が平常時が淡白すぎて、嫌うにしても邪険にするにしても、どれも中途半端なまま進み、気づいたらベッドシーン・・・。え・・・?(困惑)小悪魔受ってことなんでしょうが、私の好みではなかったです。「off you go」が好きな人にはオススメします。
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『ノーモアベット』のスピンオフで、この作品だけでも問題なく読めますが、前作の主役がかなり脇で出てきますので作品をより楽しむために『ノーモアベット』>『ワンダーリング』の順番で読むことをお勧めします。さてワンダーリングですが前回のポーカーからこちらはルーレット。1つの玉が38の異なる場所に落ちるという単なる偶然のようなゲームですが(もちろんディーラーがある程度コントロール出来るというのは聞いたことがありますが)いろいろなストラテジーがあるのですね。そこのところは興味深く読めました。ワンダーリング=雪の生き方を導いたルーレットでしょうが、同時に人生の巡り合わせや運命、人と人の繋がり、家族の輪なども表しているのではと思います。ただ主役である雪…なんでここまで?と思うくらいの藤堂(九耀)氏に対する冷淡さ!天邪鬼、小悪魔、家族の結びつきに対する臆病さ、ツンデレ…うーん、そんな可愛いもんじゃない。何て言ったって「4600億年後も嫌い」ですもの。『Off you go』の佐伯氏をうんと若くして更にスパイシーにしたような…一穂さんお得意のウィットに富んだ会話のキャッチボールも楽しめる以上に、雪の態度の悪さに藤堂が気の毒になったりして。これだけ全然心をを開いていない(風にしかとれない)雪が、最後で見せる藤堂に対する想いが唐突に感じるほど甘い部分に欠けていました。だからかH部分も雪>藤堂への愛が見えにくい。噂によると同人誌で、この2人のSSがありそちらでもう少し彼らのエピソードが読めるらしいのですが、本編内にもほんのちょっとのデレ(藤堂に気づかれないところでいいから)を入れて頂きたかったです。ということで一穂さん大好きな私にとっては、★が少ない作品となってしまいました。