レビュー一覧

獣と人間とはどう違うのか、どう違うべきなのか、それとも違いなどないのか、考えて答えが出るのかどうかもわからないが、、考えろと迫ってくる作品。

大飢饉の最中に生まれた餓鬼が、この世に生を受けたことを恨み、赤子の自分を喰らおうとした母を恨み、畜生道をまい進する中、一人の僧侶と出会うことで心に変化が生まれ、獣心と人心の中で葛藤するお話です。最近の漫画で例えると、バガボンド1,2巻をさらに深刻にした感じです。読むと心が洗われる気がします。

絵もですが主人公の強烈なキャラから目が離せずに読んじゃいました。

はなかなかショッキングなはじまり方です。その勢いのまま最後までいきますが、すすむにつれ胸が苦しくなりますね。自分が母親だからでしょうか。

最初から人肉を食べるという強烈な始まりでびっくりしました。今私達が学んでいる倫理・道徳はいかに脆く、環境によって簡単に壊れてしまうものなのかと鬱々としてしまいます。誰か正しいのかとてもではないですけど答えあぐねてしまいます。

無料で読んだ１巻目はただただ、飢餓の惨状と阿修羅の動物性に圧倒されるばかりでしたが、２巻、３巻と進むにつれて彼の過去が判明し、仲間の少年たちも出てくる。獣から人間徐々に成長し、己の良心に対する葛藤に苦しむ姿は重たいです。グロテスクかと思いきやこんなに人間性について深く考えさせられる作品でした。いやだいやだと思いつつぐんぐん引き込まれました。

人として生まれ、人として生きること。それが、どういうことなのか、そして、なんのためになのか、考えさせられる作品。決して愛らしいキャラクターではないアシュラが、愛しくてたまらなくなる。

続きが気になる内容ですが、読んでいると何とも言えず苦しくなってくるので、気持ちに余裕があるときに読みたい作品です。

飢餓とか日本では歴史上のこと、または現代では貧困国でおきていることで、さほど意識したことはなかった。第1巻を読んで重苦しくなんともいえない印象が残り、この先を読まずにはいられなくなった。

最初のページからショッキングなシーンから始まり、人間が過酷な環境に追いやられると人間性が奪われて残酷になってしまう事がこの漫画がこれでもかというほど描いていて最後まで辛い展開だらけですが目が離せませんでした。