レビュー一覧

犯人探しと恋愛の駆け引きかな、と気軽に読んでみれば、ヒロインの秘密が重い！コメディ要素ゼロのシリアス展開。ヒロインの過去がかなり重すぎて、次期侯爵のヒーローとの未来も、単純なハピエンでは終わらないはず。殺人、脅迫、義賊、ヒロイン友人達の恋愛、と盛りだくさんで、かなりの長編ですが、おもしろく読めました。高潔なヒーローだと思いきや、ある意味人間味あふれる真実の告白があったり、ヒロイン友人達にもラストにどんでん返しの結末を用意して飽きさせません。この作家さんは初めて読みましたが、バラ色ハピエンが嫌いなのでしょうか。

グローリー・ガールズと言う義賊を結成した女性たちの人生と愛が、ヒーローとヒロインの攻防戦を軸に書かれていて、かなり読み応えがあります。ヒロインの過去、それぞれの苦悩や葛藤が悲しく痛々しい。決断して実行しむかえたそれぞれの結末も、その後を想うと問題ありまくりで重いです。単純なハッピーエンドではないです。特に、愛した夫が貴族的ゴミくず野郎だったヒロイン友人の公爵夫人が切な過ぎる。ニコラ・コーニックさんには、公爵夫人がHQ的に幸せになる話を是非とも書いていただきたいです。取り敢えず、最初から強烈に惹かれ合っていたヒーローとヒロインが結ばれますが、ヒロインの出自や経歴を考えると「ファンタジーかな？」と思ってしまいます。