レビュー一覧

　日本語タイトルがヒロインの半生をちょっぴり象徴しているのが素敵だと思います。（原題よりよっぽどいいですね。）一冊の作品の中に、よくこんなにエピソードを詰め込んだなというくらい、様々な事情が本作の二人にはあります。一見、ヒロインは裕福な家庭に育った世間知らずのお嬢さまですが、体の故障でバレリーナになる夢は潰えて、母親も亡くしています。上流階級の窮屈さに反感も覚え、リベラルな環境活動に参加するアクティブさも持っています。一方、ヒーローは孤児院の出身で、貧しい中からビジネス界のトップにのし上がってきた実力派です。上流階級の人間には偏見があり、出会った当初はヒロインに意地悪く接します。　しかし、自分が買収する土地の所有者がヒロインであることを知らず、また彼女も本名を名乗らないので、二人の物理的距離は近くなっても、心の距離は離れたままです。心の通い合わないカップルを見ていると焦れったくなりますが、なんとか彼女の心に寄り添おうとするヒーローの姿は胸キュンでした。ヒロインが子供の頃、バレリーナの衣装を着て、お嫁さんごっこをしていたという話が何とも言えないノスタルジーを誘う、好ましい作品だと思います。秋の夜長にどっしりと腰を据えて味わって欲しい一冊です。

波乱万丈なヒロインとヒーローです。最初はお互いを警戒していたのに、徐々に深く知りたくなってどうしようもなくなって、素直になったらヒロインの方が可愛くて、好きです。ヒーローのほうが深く考えすぎだ！　しかし最後の結末、ヒーローの必死さが解って楽しかったな。あとヒロインの友達、いい子だわ・・・

セットでお借りしました。話の背景が幾重にも絡んだマトリョーシカ並の重層構造で、次の展開が中々読めません。駆け引きや探り合いのシーンが続くので、必然的に台詞も場面転換もぎゅうぎゅうに詰め込まれて、多少の読み辛さは否めませんが、最終的にきちんと結着が付いているのは流石です。天衣無縫なヒロインには、異郷の地に紛れ込んだ存在の心許なさを纏いつつ、気まぐれに善悪をひっくり返す妖精のような魅力があって、目を奪われます。一方で、抜け目ないハンター的にも見えたヒーローは、本質的には名前の通りの人だったので、ヒロインに負けるのも当然か（笑）。二転三転、一筋縄では行かない恋模様を追うのは少々疲れますが、読み応えはありました。星は4.5を切り上げてます。

文月今日子さん、さすがです！ 怒濤のごとく突っ走るヒロインを自然な流れで生き生きと描ききっておられます。いつもの文月さんのヒーローより、若い彼が、何か可愛いかったです。ヒロインが幸せになるのはもちろん、素敵なフェりシティにもいい出逢いがありますように♪

素敵な絵で物語も面白くってとっても良かったです。

よくあるパターンのようで、物語に一捻りあって面白かったです

出生の問題やら、育ちの問題やら色々問題が出てきて、遠回りしますね。ヒロインはお嬢様だけど、それだけではない魅力を持った女性ですね。ヒーローが好きになったのも分かります。途中、お互い好きなのにどうなるの？と思ったら、そういうことだったのね。最後はハッピーエンドになって良かった。フリスはキューピッドね。自分たちが幸せなのは良いけれどフリスにも良いお相手を見つけてあげてね、主人公たち（笑）

もつれた糸を解すように読みました。伏線だらけでじっくりと読まないと最初からまた読まないといけないからです。原作があるから、ページ数もあるから仕方ないけどと思っていますが。

んんん？なんだか読めば読むほど時間軸がわからない作品です。なんて事はないすすーっと進んでるんですが、なんだかややこしい伏線のお話でした。

ヒーローが気の毒な境遇なのに真面目な努力家で頑張り屋。ヒロインの友達が、すごく良い子でヒロインをずっと支えている。ヒロインが奔放で困ったちゃんと言う感じです。