レビュー一覧

HQの王道ではないと思いますが、別名ジェシカ・バードさんの原作で酒に溺れて息子達を虐待していた父親の死がヒロインとヒーローを繋ぎます。年をとり酒を断って孤独だった老人の顔しか知らないヒロインと鬼の様な父親の顔しか知らなかったヒーローの間で一人の人間に対する評価が真っ二つに分かれます。全般にわたってヒロインの心優しく温かな空気が心地よく、まじめに「子供への虐待」を取り入れ少し踏み込んだ内容になっています。どんどん泣けてくる作品でした。

素敵…という言葉が適切ではないかもしれませんが、ハッピーエンドで本当に良かったと思える作品でした。しかし、ヒロインの心の広さには感服。ヒーローを愛しているからこそ…といったところでしょうか。せっかく２巻に分けたので、もう少し続きが読みたかったし、３兄弟揃う場面も見たかったなと思います。

作者買い。よかったです。ヒロインが看護師だから、虐待の知識があったのがより良かったですね。お金の苦労をかなりしているはずなのに、聖女か天使みたいなのが非現実感ありましたが‥‥それと同性同年代の友人がいなかったのも結構不自然には感じましたが、こういうお話でそういう女同士の関係まで絡めると収集つけるのが大変なので、妥当なまとめ方だったと思います。希望の光るお話でした。以前にも、時代モノでレイプ被害者の話を描いてらした作者さん。こういうテーマの作品では、相手役が安易にスーパーマンかスーパーウーマンになってしまいがちですが、この作品では、お互いに躓き、喧嘩もし、誤解を重ねつつ、それでもやっぱり思いやって話し合って歩み寄っていく、という訥々とした人間関係の基礎をきちんと描かれていたのが大変良かった。次回作も楽しみです。

藤田和子先生ならではの圧倒的な画力。見開きも美しく、携帯よりはPCで読みたい作品。全２巻と丁寧に描かれた男女間の愛の物語です。善良なる主人公の女性と、経済界で活躍し富を得た男性。設定だけみると、ハーレクインが得意とする（？）夢のシンデレラストーリィですが、二人の出会い方が悲しい。主人公の大家さんである老翁が亡くなり、遺品のメモを頼りに遠くに住まう息子に電話をする。彼女はその息子が一代で財を成した経済界有数の大金持ちであることを知らず、そしてまた、彼は彼女と父の関係に疑念を抱く。初めての出会いは最悪ですが、愛情深く善良な主人公が、徐々に彼の暗闇に灯りをともし、二人に愛が芽生えます。が、心の傷からどうしても彼は人を信じ抜くことができず、彼女を人間として侮辱してしまう。果たして、彼の心の傷となった過去とは。彼女は彼を許し、愛は貫けるのか。二人とも生真面目な性格ゆえに。どちらをも応援したくなります。個人的には彼の兄弟たちの愛情物語も読んでみたいです。シリーズ化を希望っ。

二巻ある作品の一巻なので、これひとつでは語れませんが…素晴らしい作品です。ヒロインの愛がヒーローを包み込むお話。どんなに辛くてもちゃんと夜明けは来る。ヒーローにもヒロインにも。そんなお話です。漫画家さんの画力と構成力が素晴らしいので、本当に文句なしの星5つです。

作者買いです。藤田さんの描く作品はとても綺麗で・読みやすいので感情移入が出来る物が多い……という事で、この作品は涙流しながら読ませて頂きました(；д；)。漫画の中のお話ですが、悲しい事に＆はらわたが煮えくり返る事に『現実にある事』。日が射す日中も夜に感じ、そしてソレに怯え・耐え続ける日々……その存在が消えたと解っても、怯えなきゃいけないジレンマ。ヒロインの存在によって、過去の『時間』に縛られるより、これから先の『時間』に想いを馳せようと思えたヒーローをただ②誉めてあげたいです。ヒーローの″ヒーロー″である長男が、最後に揃うところも見たかったなぁと思いました。

2部に分けているので、濃く描かれています。1部では2日間の出来事を描かれているわけですが、ヒーローの過去が過去なだけに、ヒロインを誤解したり誤解した自分を責めたりと右往左往していますが、1部の最後にはヒロインと結ばれます。このことを切っ掛けにヒロインはヒーローに恋してしまったことに気づきます。ヒーローがフラッシュバックを何度も起こしていますが、看護師2年目のヒロインは、まだヒーローの過去に気がつきません。ヒーローはこの時点では、これまでに経験がないだけに、ヒロインを愛し始めていることにまだ気がついていませんが、ヒロインが恋しくてたまらないことをどう伝えた得ればいいのかわからないながらも、ヒロインに似合うように強い男であるよう努力しするようになります。しかし、始めに疑り深くなって自分のことを話さなかったヒーローだっただけに、自分の職業を明かしたときにはヒロインに誤解され、拒絶されるところから始まるのが2部の話です。

暗い過去を持つヒーローを広い心で包み込むヒロインのお話でした。劇的な展開はありませんが最後ハッピーエンドで良かったです。

めっちゃ良い話でした。原作は多分もっと良いのだろうけど、コミックで満足出来ました。２話完結なので、じっくりとヒーローのつらい過去が描かれてたしヒロインとの距離の詰め方も違和感なかったです。藤田先生の絵だから余計に美男美女でうっとりと読めました。

久々に「レビュー書こう！」「無期限にしよう！」と思える作品でした。ただ、みなさんもよく言われているように長男のその後がめちゃくちゃきになる終わり方なのが残念。続編とかもなさそうなのでそこが－１です。ページ数の関係もあるのかな、きっとお兄さんの話があるとすればそっちのほうが大変そうですしね。こんなに重い話を素敵に描けるのはやはり藤田さんの力量です。アル中親父をなぜ友達と言えるのか、私からみても胡散臭い感じがしたのですが「時々母からも忘れられている気がする」の描写で納得しました。