レビュー一覧

これは読むべき作品だと思います。「読んだ方が良い」ではなく「読むべき」レベルです。色々な意味で心が軽くなると思います。(ならなかったらごめんなさい)でも、私は心にとても刺さりました。作者のファンでも何でもなく、表紙が気に入って購入しただけなのですが...レンタで取り扱ってくれててありがとう！と思ったほどに。ご一読を。

この人の描く女性がとても好きで、本でも持っているのですが傷みが強く購入しました。昨今女性という呪いを題材とした作品が増えドラマ化もされていますが、いまいちしっくり来なくって、そんな折りにこの作品を思い出し読み返したところです。ちょっと刺激的で、でもどこにでも転がっていそうなエピソード達が優しく胸に沁みてきます。愛すべき娘たちというタイトルですが、隣にいてもおかしくないリアリティある悩みや思想を持つ彼女達が本当に幸せになってほしいと思えます。彼女達が救われることで自分のどこかが救われるような、そんな気分になる大好きな作品です。

すごいです。女というものを表現する描写力。登場する女性たちみんな、絶妙な人間臭さを持っていて（ひとり一切人間臭くない女性も出てきますがそれはそれで）正直あまり好きにはなれなかったんですが、それでも一人ひとりの女性たちに対する愛おしさのようなものが湧き上がってきました。みんな心の内ではどうしようもない遣る瀬なさや寄る辺なさを抱えながら、必死でどこかに手を伸ばして幸せを手に入れようとしている。同じ女性として、至らないところばかりの自分でも、これでいいんだと胸を張らせてくれるような作品です。

幸せの形はひとつではない と、分かってはいても誰かに認めて欲しい。娘はそれを母親に無意識に求めてしまうのかも知れません。母娘クライシスにも通じる葛藤がとても優しく描かれていて、娘であり母である女性は切ないほど胸に沁みる作品だと思います。

雑誌メロディで『大奥』の連載が始まる前に掲載されていた作品です。私はこの話で初めてよしながふみさんを知り、衝撃を受けました。まだ毒親、ジェンダー問題などの言葉が無かった時代に（あったかも知れませんが今ほど表立ってはいなかった）、それらの事柄を描かれていて、先見の目というか、今思うと流石だなあと感じます。深くて遣る瀬なくて、でも希望のある素晴らしい作品だと思います。書いていて今思ったのですが、それらの問題って今でもあまり改善されていませんね…。でも可視化されるだけ前進したのでしょうか（蛇足）。

私が実母への執着を断ち切れた作品です。内容は極端ですが、依存症な私には目からうろこで。ほんとうに辛い作品ですがいい話です。

サンプル読んで気になったので購入。オムニバス形式で母と子、恋について、結婚について、人生について、色々な人々が描かれています。特殊な設定が多いので自分と重なる部分は少ないはずなのに、「女」という共通点だけで色んな登場人物とシンクロするような気がします。なんだか染みる‥‥そんな作品です。

西洋骨董洋菓子店をよんでから好きになった作家さんです。絵がキレイで見やすく、出てくる登場人物もそれぞれ個性がハッキリとしていてキャラがかぶりません。内容もそんなにしんみりとはしないけれど奥が深い、良い話だと思います

安定のストーリーテラー。人の心の機微を描くのが上手いですね。

さすがよしなが先生、イマイチの作品がひとつもありません。女性として感じる息苦しさや、何者にもなれない能力のなさや、いくつになっても認めてもらいたいけれど分かり合えない母親への諦観や、いろんなモヤモヤした感情を取り上げて、そこに赦しをくれるお話しです。紙でも持っていましたが、手放してしまったので再購入しました。数年おきに読み返して、少しずつ歳をとる自分が、以前と異なるどんな感想を抱くかも楽しみです。