レビュー一覧

人の心が読めるせいでさすらってきた浪人の正之助と、団子屋の元気な看板娘お春の、心があたたかくなるお話。お節介で噂好きな長屋の人々や、子供らしく可愛いお春の弟、心配性のお父ちゃん、しっかりものの姐さん、ガタイのいい世話焼きの岩ちゃん、人の良い正之助の兄…魅力的な脇役たちもたくさん出てきます。途中、正之助のお父上に関わる過去、人の心が読める能力が絡んで重く暗いテーマになるけども、最後は幸せになってくれて安心しました。個人的には、ラスト、今までさんざん待たせっぱなしにしてたお春を今か今かと待ってる正之助の姿と、腰を据えて男っぽくなっていく姿が好きです。

面白くて、一気読みしてしまいました。お春も旦那も岩龍も皆良かったです。お師匠さんも良いバイブレータになっていて、気に入ってました。

最終話のラストが特におもしろくて素敵です。大ケガをした、昔と今の旦那を結びつける、桜。この作者さんはこういうところもスゴい！

中学生の時に読んでた花とゆめ、懐かしいなぁ～。ファンタジー作家のイメージでしたが、時代物も描かれるんですね。絵も昔とそんなに変わらず、嬉しいです。優しいお話で、ほっこりしました。

１巻無料の感想です。お春は、「団子屋の看板娘」「母の代わり」「姉あ」の３つの役割をこなし、皆にも優しく接し、慕われ、正之助が居心地良くなるのが分かります。

カラーが綺麗！単行本になると白黒になるのが残念なくらいです。ふわっとした雰囲気、デッサンはしっかり正確、可愛らしい絵、ストーリーはほのぼの。あたたかみのある作風の漫画家さん。

作者得意のファンタジーでしかも江戸物なので、大満足でした。登場人物も全て好感が持てて、一人ひとりに思い入れることが出来、楽しかったです。

評価高いですね、この作品。Melodyを購読していて、作家さんも作品も知っていたので読んでみました。単に好みの問題です。自分が歴史物は好きでも、「人情モノ」は歴史に入らないという信条で小説も漫画も分類していて、「人情モノ」が好きではないだけです。それでも完結巻まで読んだので星1つにはしませんでした。

山口先生のお話はどれも優しくてちょっと切なくて温かいですね。定番のヒロイン像ではありますが、口うるさい頑張り屋さんなヒロインは本当に可愛くて、同じ長屋の住人のつもりで見守りたくなります。

少し闇が重たいテーマでしたが、お春も可愛く、彼もお春に対する気持ちが確かなところが良かったです、