レビュー一覧

三部作「三人の求婚者」の1作目。どこまでも誠実に拗らせてるヒーローとヒロインです。前半はヒーローにドキマギさせられるヒロインがメインですが、後半は徐々にヒーローが……ヒロインの為に書店にすっ飛んで行ったり男性はもちろん女性にまで嫉妬する始末(笑)　ヒーローがヒロインに対して初期は尊大で傲慢だったのに、惹かれる気持ちと反比例して余裕がなくなって無様になって行く様子にニヤけました。妻大好き！なのを社交界やおば達に隠しているつもりが実際はバレバレで何だか可愛いです。気付いてないのはヒロインだけ。ヒロインも夫大好き！を隠して結婚の条件(公爵夫人の義務)をこなす頑張り屋さんです。もちろん周囲にはバレバレで気付いてないのはヒーローだけ。両片想いが楽しめました。後半フェードアウトしたヒロイン従妹アミーリアとヒーロー友人フレデリックはどうした？結末不明でモヤっとです。後、三部作は『愛のソネット』『愛の円舞曲』『愛の足かせ』ですが、ヒロイン長兄ジャックがヒーローの『求婚の作法』はなぜ仲間外れ？これもモヤっとです。

最初は政略結婚として公爵の方が妻としての条件を決める方だったのに、どんどん野暮ったかったヒロインが美しくなって、もともとの教養と知性もフル稼働して素晴らしい公爵夫人になるに従って、公爵がどんどん妻にメロメロになるところがよかったです。

愛の…シリーズの一作目です。傲慢ヒーローが徐々にヒロインに振り回されていくストーリーが良かったです。やっぱりロレンス作品のヒロインは芯が強くていい感じです。

登場人物が、皆よい人ばかりで、よくある陥れるとか、だますとかないから安心して読めるという点はありますが、その分平坦な感じ。

ヒロインは良妻賢母となる人柄で反対にヒーローは傲慢で自由奔放に育った我が儘坊っちゃんに思えました。まさにHQの王道な作品でヒーローが急遽結婚をしなくてはならなくて自分に都合の良い妻を探す。という内容から話は始まりますが、そんな我が儘ヒーローが容姿も人格も素晴らしいヒロインに本気で惚れていき、最初の自分の考えが間違いだと気付き反省します。その過程がドキドキ、キュンキュンとさせられ、最後のヒーローの愛の告白には溢れんばかりの愛を感じられ羨ましく思えました。まだヒロインの兄たちの話があるのでそちらも楽しみに読みたいです。

長いすれ違いなうえ大きな事件?はないのに私的には飽きもさせずジレジレとでもわりとシンプルに上手に進むストーリーに満足でした。

意地っ張りでお貴族様の生活を享受しているように見えて、とても真面目な二人の恋です。

美人は得という最高のパターン。展開も好きだしハーレクインらしいです。