レビュー一覧

ごめんなさい。なんだか「いいお産」がポジティブな呪文じみてて、変なプレッシャーを感じてしまいました。

助産院での自然なお産に憧れはありますが、本主人公の素子さんがどうにも気に食わなくて、だんだんとムカムカしてしまいました。素子さん、出産経験ないのに本当に陣痛とかの苦しみわかるの？！と言いたくなります。

一時期、流行った「母乳神話」みたいで疲れる。全員が全員主人公の言う「いいお産」が出来るはずがない。大きな病院で見守らなきゃいけないお産もあるハズ。現実味がなく、綺麗事で読んでいて疲れます。

２人の子を無痛分娩、帝王切開で生んだ自分からすると、うへぇ…という嫌悪感しかない内容。こういう自然派の思想が無痛や帝王切開への偏見をうむのでしょうね。どんなお産だっていいじゃないの、自然に拘るなんて下らない。

医療もの、特に出産ものでは涙なくして見られないタイプですが、この漫画はしらけるだけでした。そんなに医療介入は悪いことでしょうか。病院で産んだ方がよいだろうと思う話もいくつかありました。妊娠中に風疹にかかって子供は難聴でいじめられてるけどまぁ強く生きていってよ。だって私は幸せなんだから！と何一つ後悔することなくヘラヘラ笑う母親。というか、風疹にかかったら産後すぐにいろいろ検査が必要では？助産院で産むとか平気なんでしょうか。自然派最高！という考えの方にこそ予防接種の必要性を強く強く訴えてほしい今、この話は読みたくなかったです。

若い人には、読んで欲しくない。最初から最後まで、「医療介入は不自然なこと。不自然なことは悪いこと」の姿勢で疑問に思った。いいお産とは、医療介入をしないのではなく、母子とも無事であることなのではないか？トラウマになる立ち会い出産に意味はあるのか？分娩時の痛みに恐怖を感じているのなら、精神論で励ますのではなく、麻酔を使える病院を紹介すべきだ。この本を読んだ人は、「コウノドリ」や「こちら椿産婦人科」を読むと良い。医療介入しても、「良いお産」であることがわかる。

何か古いなぁと思っていたら、第１巻は1998年発行。とりあえず無料で３巻まで読みましたが……　ここ20年で、妊娠・出産や妊婦さんを取り巻く状況って随分と様変わりしたんだなあと思いました。

いいお産、が繰り返し使われますが、押し付けられてる感が強い。疲れる。絵は気になりませんが、話が上手くいきすぎでは？お産がファンタジーっぽく感じてしまいます。

がんばれがんばれで読んでいて疲れました。私自身、２度帝王切開で産んでいるので、自然なお産が当たり前みたいな内容はちょっと辛く感じました。

理想ばかりをマンガにしないでほしい。現実はもっと危険なことがわからなくなると思います