レビュー一覧

気持ちを大事にして優しいお話を書かれる作者さんです。ただ今回は受けの小さな弟(幼稚園児)に手がかかる(実際に描写にも文字数がかかる)のと、攻め側も2人いて登場人物が多いので、いつもよりは描写に細やかさがないかな、と感じました。それでも読後感はやっぱりいいなぁ、と思うので高評価です。星1つマイナスはイラスト分です。顔はキラキラしいのですが、体が貧弱で、攻めの「彫像のような立派な体」という描写にはあてはまらず、かえって陳腐に見えちゃいました。

こどもの描写がリアルで良かったです。BLは聞き分けの良いこどもが良く出てきますが、この作品はまさに大人の思い通りにならないこどもさが見事で、それに振り回される攻と受が気の毒というかおかしいというか。読後感もとても良いですが、挿絵がアンバランスな感じで残念でした。

こういう、神様の澱みのようなお話を見ると、普段の生活のことを考えさせられます。日本は八百万の神様がいらっしゃるし、こういう事があってもおかしくはないのでしょうね。BLにしたとしても、大事な事を思い出させてくれる作品でした。