レビュー一覧

生来持っていた良識や優しさを伯父に歪められてしまったヒーロー。かなりやさぐれてます。そんなヒーローに臆する事無くグイグイ近づくヒロイン。ゴシック作家の妄想爆発です。二人の心情や行動は、どこの少女漫画だと言いたくなるくらい面白いです。後半は、コーンウォールと『ウルフィンガー』を舞台にドタバタミステリー要素も加わり、二人の気持ちがより確かなものになって行く過程が楽しめます。事件解決エンドの数年後を書いたエピローグが、なんとも微笑ましくて素敵です。

★3か4か迷う所です…妹がわがままでヒステリーなのが、ちょっとなぁ、というのと、ヒロインが何度も「まあ、どうしましょう」というのが、場面に合ってないというか。原文では多分What shall I doとかなんでしょうが、日本語に訳するときにはもう少し状況に合わせて訳し分けてほしかったなぁ、と思いました。これをヒロインが言う度に、冷めました。作品自体は面白いし、『シャーロットの冒険』（Renta!ではコミックのみ）、『伯爵家の事情』『最後の子爵』と続いて、特に『最後の子爵』にヒロインの作品が関係してくるので、シリーズで読むのがお勧めです。シリーズ全体としては★5です！