レビュー一覧

型破りなヒロインが多い作家さんですが、このお話はヒーローの方が型破りです。ズバズバ言うヒーローが素敵。いつもながら二人の軽快な会話がたまりません。関連作品の『貴婦人の秘密』のヒーローとヒロイン、そして『華麗なる陰謀』のヒーローがちょこっとだけ出てきます。『貴婦人の秘密』でのリチャードは好きになれなかったのですが、今回のリチャードには｢よくやった！｣と言ってあげたい。すっかりリチャードの策略に嵌まったヒーローは…。トム可愛いよトム！

この作家さんの作品を何作か読んでいたので、殺人事件や陰謀がいつ起きるのかと思いながら読み進めていました(笑)が、このお話は突飛なミステリー要素はなく、いくつかの問題と事件は貴族あるあるでした。ヒール役の人達も貴族・階級社会で大変そう。ヒーローとヒロインがどちらも強く賢く行動派、『貴婦人の秘密』のナイトリー夫婦を筆頭に登場人物の多くがナイスな人ばかりで、テンポ良く楽しく読めました。特に、最後の15ページほどは声を出して笑ってしまいました。〆の会話も粋で素敵です。

この作家さんは安心して読めます。ヒストリカル作家の中でも好きな一人、作品に品格を感じるんです。今回はヒーローの方がヒロインより格下という少し珍しい階級格差故に苦しむ話でした。もちろんハッピーエンドだからいいですね。登場人物が多いのですが、それぞれ個性的、魅力的な人ばかりでとても楽しく読めました。なんちゃってヒストリカルがのしている中で、こういった本格的な作品を読めた満足感がありました。

関連作があることを知らず借りました。アン・アシュリーも好きですが、翻訳の古沢絵里さんの名前にも安心感があります（ヒストリカルの翻訳が多いですね）。ヒロインは裕福な貴族の子女ですが、世の中のことを見る目を持っています。この時代にこういうタイプの女性が本当に存在していたかは知りませんが、とても頭の良い女性です（姿も美しいので申し分ないですね。こういう女性は鼻持ちならない我儘なお嬢さんになりがちですが、そう思われることを嫌うという面白い設定です）。医師であるヒーローもやや頑固なタイプですが、男らしく正義感があり自分に正直（愛人がいたことも致し方がないのは男だから、と割り切ってるところが男らしい！？）。お互いに頭が良く思い込んだら〜と似たような性格なので、なかなか思いが相手に伝わらないというジレンマがハーレクインらしくて、面白く読めました。

登場人物が皆それぞれ魅力的でした。ヒーローとヒロインの会話が小気味いい．貴族にしては型破りな考え方も面白い。内気な友達や優しいいとこもみな素敵！

最後の伯母様と…の掛け合いがスゴく良かったです！　主役を食ってましたね、完全に。アンの作品はまぁまぁ読んでますが、ヒロインが冒険する、最後までいかずに終わる、ヒーローには愛人がいる…そんなパターンが多い気がします。

「消えた伯爵夫人」を皮切りにこの作者の作品は読んでますがヒーローが型破りで笑えました。この作者さんのヒーローにはたいがい愛人がいたりして不快だと感じることもありますが面白いので★５で

ヒストリカルが大好きなので、この作品には初めから引き込まれました。 貴族であるヒロインが、田舎の医者に恋をしてしまいますが、さまざまな問題を解決するのにヒロインの周りにいる人たちの素敵な計らいで、ハッピーエンドとなりますが、それもこれもヒロインの人柄が物を言ったのでしょうね。この作家さんのヒストリカルは何冊も読んでいますが、どれも素晴らしいです。