レビュー一覧

神様と人間のハーフの男の子と彼を護り続けるワンコ(時々人)の関係の変遷を丁寧に描いた和風ファンタジー。恋愛物としても勿論楽しめますが、辛い過去を背負った主人公がワンコと共に成長してゆき、人との関わり方を見つけようとする様子もまた、なかなか面白く読めました。昔の日本に於ける閉鎖的な村の感じや、そこに住まう人々の感情の描き方も自然なので、少しの間物語の世界にトリップ出来ました。お薦めです。

何だかもつとこの2人を見ていたかつたです。

半妖の夏生は山犬で人型にもなれる壱ノ護(いちのまる)と旅をしている。壱ノ護は夏生に寄る妖も動物も追い払い、自分の精を夏生に注ぐことで結界を張る。太一という少年に唆され、夏生は人間に捕らわれてしまい..もふもふ〜壱ノ護もふもふ〜私も大きな犬に包まれて寝てみたい..本編は全て受視点です。獣スタイルだけだった壱ノ護が犬のまま夏生とまぐわってまぐわってまぐわって..人のかたちに変化できるようになりましたって辺りから面白くなってきた。夏生は嫌がってるけど、壱ノ護の真っ直ぐな過保護過ぎるお世話にきゅんきゅんっ。太一を壱ノ護が追い払ったことに夏生が怒った時、どうしたら夏生が笑顔になってくれるか必死に今までのことをなぞろうとして、ただただ愚直に夏生のことが大好きなのが伝わってきました。夏生が嫌がることをしないように、夏生と同じことをして同じ言葉を喋れるよう一生懸命なまるは可愛いです。ワンコ'系'じゃなくて、正にワンコなので駆け引きもなく気障ったらしい言葉でなくて、もちろん実は腹黒かったなんてこともなく、そこがすごくハマりました。人間のワンコ系より真っ直ぐさが一段も二段も上なんです！表情豊かな尻尾が可愛いんです！受の夏生は最初は優しくて、その為に人間に陥れられる可哀想な子。最初は壱ノ護に守られるのを良しとしなかったけど、素直になって守られてくれてめでたしめでたし。喧嘩してラブラブになって攫われて..攫われてから無事に逃げ仰せるまではハラハラドキドキでした。言葉を惜しまずに壱ノ護に想いを伝える夏生..弟を人質にとられ仕方なくとはいえ自分を陥れた太一のことすら気にかける夏生は本当に優しくて強い人ですね。Hに持ち込む合図(首を甘噛みする)ってのが萌えた！

いいお話でした。途中、ちょっと辛くて切ないですが…

壱の護が、犬の性を存分に発揮している。もし犬のまま人間になったら、たしかにこういう、人間の機微が分からないながらも大事な者のために試行錯誤しながら関係をアピールするだろうなといちいち納得しながら読んだ。迫害されながらも、人間同士の繋がりを信じてみたい気持ちを捨てられず、そこに入れてもらえない寂しさを感じている夏生の苦しみは、ある部分では同性愛者にも通じる感覚ではないかとも思う。力業を使いつつ、自分がいる、と散々アピールしまくる壱の護の情が、これからもおそらく時おり揺れるであろう夏生の気持ちを支えるんだろうな。

ワンコ攻めって当にワンコそのものだから。それ以上でも以下でも無い、ワンコ攻め。

二人で寄り添いながら生きていく様子が伝わってきて切なくなりました。打ち掛けを着るシーンが印象的でした。

世界観が現代を描かれることが多い作者様ですが、歴史ものの今作も読みごたえのある素敵な作品でした。人と妖の間で揺れる受けと受けのために人を理解しようとする妖の攻め。少しずつ心が歩み寄って行く姿に応援したくなる気持ちに鳴りました‼波乱はありますが、ハッピーエンド。読んで損はない作品です‼

受けの攻め対しての感情？愛情がよくわからなかった。大切にされているはずなのに、無いものねだりな感じがありました。最後は大切さを自覚していたのでよかったですが、

最初から二人の世界にいるので、何となく面白みに欠ける気がしました。図体でかい執着ワンコ攻めは好きなのですが、なんか惜しかったです。