レビュー一覧

レビューを読み、痛いところがなく読みやすいということで読んでみました。この作家さんは受がひどい目にあったり、攻も怒りなどから受にひどいことをすることがあるので警戒していましたが、大丈夫でした（笑）。逆に攻がハードボイルドで寡黙ながら、とっても優しくて甘いのがよかったです。脇役も良い人ばかり。安心して読めます。ただ受の特殊能力を用いて事件を解決するという設定なので、最初に読んだ時には、もっと主人公たちを事件に巻き込んで掘り下げた展開がある方が面白いだろうと思いました。でも、そこはやはりＢＬ。再読してみると、こういう（いろいろな意味で）甘い展開の方が主人公二人の物語に焦点を絞っている点で良いかと思い、☆５にしました。

受けの慎ましさや住んでいる村の静かで穏やかな感じがこの物語をより魅力的にしています。それが好きだなぁとおもいました。

とにかく気になったのが、処方箋薬局、処方箋室、お年寄りが処方箋を待つ間という「処方箋」の言葉の意味の取り違えです。調剤薬局、調剤室、調剤を待つ間、でしょう？処方箋は医師が処方した薬の内容の書かれた用紙の事。作者さんも編集の方も、仕事ならもう少し言葉を調べるべきでは？辞書でもネット検索でも簡単に検索出来る筈。どちらも言葉の商売なのですから、登場人物の仕事の内容くらい最低限の情報を得てから書いて欲しいです。BL小説だから大事なのは別の部分なのでしょうが、リアリティがあってこそフィクションを楽しみたい。BLとしてもファンタジーネタとしても楽しめましたが、言葉商売なら最低限の事は大事にして欲しいです。

水原先生の作品が好きです。でも大抵ウケが痛い思いをするので覚悟をして読んで見ました。が、今回は痛いところがありませんでした。読みやすい（笑）先生の作品はいつも過去に傷を持っているような影のある人物が多いですが、今回の二人もそうでした。心の寂しさ、孤独さを持つもの同士だからこそ言葉がなくても惹かれ合う。切なく描かれています。私は気を遣いまくって繊細すぎるほど繊細な受けが好きなので、今回も儚げで良かったです。ついでに攻めも言葉少なで寡黙さがあって好きな設定です。人にはない特殊な能力だったり、夢魔とか出てきたり意外な感じでしたが面白かったです。

水原作品にしては、ほんわかしっとりとしたムードの甘い作品でした。受けの特殊能力でサスペンスタッチな所もあり展開が早いので、スイスイ読めました。面白いです。薬草の採れる長野の村、そこに訪れる白のセダン想像して楽しみました。

オカルト系なのかな。でもこの距離感仕事がしずらい。

大人だからなのかモヤモヤしたままにせずはっきりしてもらいたい。

田舎暮らしに身を置く物静かな青年と、無口ながら熱血漢の都会の刑事…異色の組み合わせながら、味わい深いカップルでした。滅多に会えず、会話も少な目なのに長年連れ添った夫婦の雰囲気を醸し出しています。全編通じて、穏やかで物静かな気が充ちている印象なのは、主人公の青年の目線で書かれている所以でしょうね。私はファンタジーもオカルトも非現実的な世界には何でも有れで楽しめますが、この主人公の超能力は大事なポイントとしても、淫魔の係わりには違和感を覚えて残念でした。雨に纏わる不可思議な現象が主人公の心を現して切なく、その情景が心に沁みる作品でした。

ちょっと文の書き方など気になるところがあったので☆3.5ってとこでしょうか。でもハッピーエンドだし、受けも攻めも好きなタイプです。シリアスになりきれない感じがどうかなー。シリアス好きな方には物足りないかも？と思いました。主人公が巻き込まれるくらいじゃなきゃ！(笑)ハラハラはあまりなかったです。