レビュー一覧

受けが可哀想なメロドラマ展開が好きな方は楽しめると思います。六青さんらしい作風です。和風の時代ものでメロドラマBLは少ないので希少さも込めて☆4にしました。

これは…はっきり言って、好みではありません。 だけどこのお話には、これでもかっていうほどの「愛」が描かれています。 恋に落ち、真摯に想い合い、だからこそ疑い、迷い、だけど心には抗えない。ただ、幼なじみの吉弥が余りにも、良い男っ振りで、哀れすぎる…攻めの隆継の出来の悪さが酷すぎて、吉弥押しの読者は多いはず…。

だいぶ前に読みましたが受けがとにかく不憫でかわいそう、六青さんのはそういうの多いけど。でも波乱万丈なので退屈せずに読めます。

受けが可愛そう過ぎて痛かったです。幸せになれて良かったと思ったら殿様早死するし。どこまでも不幸です。いとこのお兄さんまでも不幸。

これでもかというくらい受けは心身ともに痛めつけられますが、心が穢れません。攻めは受けを性的虐待（この時代は高貴な方にはありなのかもしれませんが）してますし、疑り深くて受けを信じようとせず逆上して追い出しますし、全然いいとこなしです。惚れた弱みで最後は攻めの元に戻りますが、何か腑に落ちません。吉弥の方がよっぽどいい男なのに、葉之助にとっては、お兄さんだったんだなあ。

ちょっとありえないシーンなどもありましたが、全体に漂う雰囲気がとても好きな作品です。あのまま市井で暮らした方が幸せだったのかなと思ったり。しみじみ切なさを感じながら読みました。