レビュー一覧

一般的（？）にそれまでどんなに侮辱的なことを言われたり扱われたりしてきても最後のヒーローの「愛してる」の一言であっさり許してハッピーエンドになるお話よりも納得出来る流れでした。ハーレクインのヒロインには「いくら愛してるからってもうちょっとプライド持ちなさいよ！」といつもイライラさせられていたので久しぶりに読後がすっきりしました。特にヒロインを傷つけた分ヒーローも傷つくのが良かったです（笑）　愛してるのに拒否される気持ちが分かったかー！みたいな（笑）

シリーズ物のためか、罪への償い部分が足りないような（２作品目冒頭に説明が少しあった。それを読み納得）……最後はハッピーエンドでめでたしめでたしだけど、犯罪がらみでしょう？！とツッコミたくなる。ヒロイン、ヒーローの心の葛藤は、手に取るように分かり涙ものでした。それだけに、陰謀を企てた脇役への制裁が甘いと感じられました（物語だから簡単にしちゃうけど、実際にいたら極悪犯だよ〜！！ヒロインが死んでたかもしれないのに！）あとヒ―ロ−がメインなのか、ヒロインの生い立ちとか省略されていてなんか物足りませんでした。（こういう生い立ちだから、この性格とかの説明がない。出会いも簡略で愛人だったし）仕掛けのある作品だけど、ちょっと大味かな？！

ヤマナシ、オチナシといったところでしょうか。序盤以外は、大金持ちの色男が、特徴のない（描かれていない）女主人公に何故かぞっこんという構図であり、高スペック男に受け身的に愛される女主人公という、基本的には、少女マンガ的なあの世界観です。ただ、少女マンガとの違いは、女主人公が身ごもってるってことですね。そして浅いやり取りが、表紙めくってすぐの登場人物一覧にある数人の人々との狭い世界観の中で繰り広げられます。ストーリー全体を貫く謎も、あまりにあっさりしていて、最近の海外ドラマや映画で捻りまくったシナリオに接触する機会の増えた身としては、逆に何だか驚いてしまいました、「えっ、もうちょっとなんかないの…？」犯人も、すべての罪を着せられて、完璧嫌な人間に仕立てられてましたね（笑。あと、しっくりこなかったのが、序盤で女性との関係をひどくいってしまったことに対する後半の男の弁ですね。二人の関係性を解釈しなおす重要なシーンだと思うのですが、彼の弁を読んで、序盤読み返しても、なんか納得いかないような…（笑。他の方もおっしゃられているように、翻訳も文体が固くて、流れるように文章を読むことができませんでしたね。まぁ、まとめると、「完璧な男に受け身的に愛されたい、しかも彼の子を身ごもったシチュエーションで」、あるいは、「完璧な男になって、俺の子を宿した女を溺愛してやりたい」というフィクションを、細かいことを気にせず楽しめる方にはお勧めです。

冒頭の入り方が翻訳のせいなのかぎこちなくて所々何が言いたいのか分かりづらかった。全体的な話の流れは面白かった。ただ妊婦なのに薬打たれすぎ、移動させられすぎ、Hしすぎ。赤ちゃんへの影響を考えない感じで話が進むことに違和感しかなかった。ヒロインが誘拐され愛する人に身代金を払ってもらえず数ヶ月後に解放されたことは、いくら誘拐犯から比較的丁寧に扱われたとしても相当根の深いトラウマになるはず。その上ヒーローはヒロインが誘拐される前にハッキリと愛人宣言。会社の情報を盗んだと罵倒してヒロインを追い出しヒロインが解放されるまでヒロインを探そうともしなかった。それなのにヒロインはそんな薄情なヒーローを数日で許せるの？許すの早くない？ヒーロー秘書の策略や罠でヒーローのせいじゃなくても疑われたこと騙されたことには変わりない。色んなことが積み重なってるトラウマは簡単に消えないと思う。ヒロインはヒーローを簡単に許しすぎてなんだか違和感の残る内容だった。最後にヒロインを誘拐した犯人、、、捕まってませんよーー。ヒーロー秘書だけが悪者になってておかしい。んー気になる。

裏切られたと思い込んでいるのにそれでもヒロインの世話を細々と焼くヒーローは、この作者の定番かもしれません。策略から裏切り者に仕立てられたヒロインが憐れで。彼女の方こそ、結局同じ人に二度も裏切られたことになるのに。ヒロインを誤解していたとわかった時からの、ヒーローの動揺っぷりがいいです。

他の方たちも仰っているようにヒロインが無闇に酷い目に遭い過ぎだし、ヒーローがクズ過ぎだしバカ過ぎだし、ついでに悪役もバカ過ぎだし、中盤以降島に籠ってセックスシーンばっかだし、ヒーローが序盤以外はヒロインを甘々溺愛しちゃっているしで、要はいつものマヤ・バンクス作品です。何か文句ばっかり書いたような気もしますがこの人の作品は突っ込みどころ満載、という点も含めて大好きです、ハイ。しかしこの作品の誘拐犯たちは本当にありえないほど優しいなあ。

マヤ・バンクスは追い詰められた不遇な女性の心のうちを書かせたら最高ですね！これでもかと迫ってくる。いつの間にか泣かされてる。犯人分かりやすすぎ！ヒーロー会社経営者のくせに頭弱すぎ！なんてことどうでもよくなります。

おもしろかったです！　非常につっこみどころが満載のお話でしたが、それはそれ。ハーレクインならいつものことですので、私は気にしません。まったく非がないのに、理由もわからず苦境に立たされるヒロインがツボでした。ヒーローの「お前は愛人だ」発言には腹が立ちましたが（あとからの説明にも納得がいきません）、愛する人に裏切られても、それでもやっぱり好きで……というところが、良かったです。ハーレクインだと、どうやったってお互いに嫌いにはならず、結ばれてしまうんですね。とてもせつなくて、すてきなラブストーリーでした。

信じる人を間違えるとこじれるんですよね〜。もうヒロイン＝悪女って思い込んで結局自分に跳ね返ってきて。でも最後はきちんと反省したし、ハッピーエンドで良かった。

すっごっくヒロインが可哀想過ぎて泣いてしまった…怒涛のような展開でいっきに読ませます。というより、早く誤解が解けてヒーローが猛省してるところを見たい一心で読んだ感じ。なんだがヒーローをあんなに簡単に許せるのか…ヒロイン…ヒロインが許せてもあたしは絶対許せない！でも話しはなんだかんだ面白かった〜〜