レビュー一覧

高嶺の花を堕とす賭けなんて何度も読んだベタ設定。なのに大学内の三大ポイ捨て男と呼ばれるチャラ男の、悪意は無いけど無責任な攻のタラシ加減とか、水曜日生まれは嘘つきだとサラリと言う受や、後半の追い込みで琴線に響くエピソードとか、色々とひっくるめて やっぱり上手いなぁと感心しました。悪い妖精は耳元で無理ばかり囁く、旅人は捕まらないように返事をしないでおまじないを唱えているんだと子供達に読み聞かせ、おまじないのように「君は来ない」と繰り返す真尋に涙がとまりませんでした。 スカボローフェア、綺麗な曲なのに、そんな怖い内容だったとは…

あらすじ通りで、特に特別な展開があるわけでもなくストーリー自体は普通ですが、二人の距離が縮まっていく過程がとても丁寧に描かれていてきゅんとします。初読ですが文章のうまい作家さんだなという印象を受けました。ただ後半からエンディングまでが前半〜中盤に比べて駆け足で終わってしまった印象。それだけがちょっと不満に感じました。とはいえ一読して損はないと思いますのでイケメン×年上美人が好きな方にはお勧めです。

流石というか、作家さんの力ってすごいなぁって思う作品でした。最後まで丁寧に、拗れて壊れてしまった2人の関係が、ゆっくりと修復されるまでを書き綴ってあります。本当に最低な奴なんです、攻めの吉見が。敢えて作家さんの言葉を借りるならば、吉見はただの『ヤリチン』（笑）。受けの真尋は普段なら絶対に受け付けないような、攻めの軽いお誘いに乗ります。ある意味覚悟を決めて。攻めはイージーモードで生きてきてたから、どれだけ大切なものを真尋から貰ってるか分からないんです。そして失って初めて気付く訳です。簡単に許さなかった真尋を、誠意と愛を捧げて傍に居ようとする吉見。その辺りを読んでいてグッと来ましたね。私が惜しい！と思った点は、知らずに真尋の初めてを貰ってしまったことを、吉見が心の底から後悔して欲しかったという一点だけです。

好きな作家さんなんですが、攻めの男の子がどうしても好きになれず…でした^ ^;ストーリーはしっかりしていて、読み応えもあるんですけとね……軽い感じはタイプでないので、最後は考えもかわってましたが…

レビューの評価ほどは、よくなかった↓受けかどんなにすごいか、キレイな人か、の説明に何ページ使うのか、そればっかりでうんざりした。攻めのことも簡単に、なあなあに許してるし。攻め、受けともに意味がわからなかった。受けのお姉さんと、友達の伏線も中途半端で入れる意味がないように思う。

途中まではらはらと、どうなるの？どう落ち着くの？と凄く集中して読み進んですが椎名(攻め)のチャラさが暴露される経緯が今一の急展開で、彼の謝罪も、これで許されるんかいというちょっと無理やり完結に結びついた感じが残念でした。どこか読み飛ばしたのかとページ確認してしまいました。話の辻褄は合っているのですがちょっと次便には急ぎ過ぎに思えました。でも、橘(受け)の美人度や椎名のチャライのにどうにも憎めないキャラクターなどはとても好感が持てました。