レビュー一覧

船上で起こったゴタゴタが船上で決着つきます。攻めも攻めの周りの人もいい人ですし甘々でスッキリ、後の短編も甘々です。切なさは少なめなのですが、受けを落札した残虐なプレイを好むキャラが、受けが逃げたのでその代わりにあてがわれた少年を残虐なプレイによって殺してしまうという（死ぬ前までのプレイの描写あり）甘さとか定番とはかけ離れたここだけ妙に凄惨なのが苦手な人は苦手かも知れません。

他の方が書いていたようにそんなに残酷とは思いませんでした。殺されるシーンが描かれているわけではありませんし、いとうさんが書かれている他のSMや調教っぽい本に比べると甘々度も過激度も大した事は無いから、ご安心を。

攻めと受けの関係は甘々ですが、受けが逃げ出した男のもとで、受けの代わりに残虐な扱いで別の少年が殺されています。読み返してもその部分で苦しくなり、この小説の表紙イラストを見るだけでそのシーンが連想されてしまうようになったので、私はもう読めません。リアリティは必要かもしれませんが、あくまでBLはファンタジーなので、現実の悲しさに繋がるようなこういう書き方はやめてほしかったです。それくらいなら、ご都合主義な書き方でもいいから、身代わりの少年も助け出されてほしかった。表紙イラストで思い出すので、表紙すら目にしたくないのですが、著者の作品は他にも読むので、関連作品として表示されるのが辛いです。

いとう由貴さんの作品は読みやすくて好きです。雅がかわいかったです。オークションにかけられたり、海に身投げしようとしたりハラハラする場面もありましたが、それ以上に甘々な場面が多くあるように感じ、よかったです。

この手の日本男子って、見目麗しく世間知らずで女子高生の方がはるかに物知り、一方相手はこれでもかと甘やかす話ばかり、なんかなあ・・・。