レビュー一覧

能の世界を丁寧にとてもしっかり取材をされていて、読み応えがあります。 前作から引き継いでいる人物や設定も相まって、過去作のファンの人はもちろん、また初めて読む人にもきちんと面白く読めます。登場人物が一人一人丁寧に描かれ、細かいセリフやエピソードで、それぞれの人物像を浮かび上がらせ、その事がストーリーを形作って行く事が作者の持ち味だと思うのですが、今作はよりエピソードが細かくて丁寧な分、登場人物が全員、ナイーブすぎて話の進みも遅い。なかでも主人公の恋人の葉月さんが子供っぽくてめんどくさい。一旦は彼女の繊細さには理由があると納得できるんですが、今はなぜ主人公が彼女を好きなのか、魅力が分からない。そんな彼女にカウンセラー並みに寄り添う主人公も共感しにくい。全体的に登場人物がみんなおばちゃんっぽいメンタルな気がするのは私だけでしょうか…。思慮深い人々と理解すべきなのか…。 能の事を中心に描くだけでも十分面白いと思うので、ストーカー問題やゴミ屋敷問題は蛇足な気がしました。ちょっと、うーむ…となったので星3つです。

NATURALでは、西門さんの脇で(ごめん)ちょっとクールな感じに見えた憲人さんが主人公。熱い一面もあり、人として見せたくない部分もさらけ出しながら、日々をすごしていくさまを、能を通して描いていきます。周囲の大人たちも魅力的であり、能に関心がなくても読み応えのあるドラマだと思います！おすすめです。

コミックを持っていましたが、おたかづけで手放してしまい電子版で再購入です。ファン歴40年で、作者がLaLaで書いていた頃から大好きです。成田美名子さんは、衣服の質感まで丁寧に書かれるのが素晴らしく、着物の折り目など、細かいところまで妥協しないですね。だから日本男子は、袴姿が一番かっこいいのがわかります

作者さん自身が能ファンで熱心に舞台も観てるし、実際の能役者さんにもしっかり取材して丁寧に描かれてる作品だと思います。途中までは能メインで良かったのですが、主人公の恋愛の方が多く描かれだしてからはつまらなくなって読むのを止めてしまいました。主人公が彼女のどこに惹かれたのかがわからず、いつの間にか付き合い始めちゃったし。もっと能中心で描き続けて欲しかったなあ。

キャンペーン中なので久し振りに読んでみました。人物の顔の書き方がなんだか間延びしたみたいな。。。少し前の絵柄の方が好きだったです。昔は能の舞台の話が主流だったような。主人公の恋愛話はあまり興味無い。

前半はお能中心の話で興味もあり面白かったのですが、葉月に告白したあたりから話の中心が恋になってしまい、当初の魅力が半減な感じです。ケント自身の心の重心がどこにあるかで、変わっているのだと思いますが、葉月に魅力を感じないのもあり、だんだん読むのがめんどくさくなってきました。葉月がめんどくさいプライドの高い女でめんどくさくなりました。

元々、能、狂言が好きでしたが、能楽の舞台裏や演目の解釈、能楽師の日常ルーティンなども垣間見えて興味深いです。能の入門書としても適しているかと。ただ主人公、なぜその選択をする？恋人との報告連絡相談は必要だろう？！と襟首掴んで揺さぶりたくなっています。次巻がこわい。

エイリアン通りをリアルタイムに読んでいたのは何年前？いつも美しい絵、哲学的なお話をありがとうございます。生活の匂いがするようでしない、こういう人物がいるかもしれないが探しても見つからないし身近にはありえない、現実とは明らかに違う世界が描かれているようで、憧れと諦めがないまぜになるのが成田作品。これもまた同じです。

昔から大好きな作家様。丁寧に描かれる世界に感動の連続です。

読めば読む程主人公の憲人の魅力が増していきます。能の世界のことは全くわからないですが、凄く魅力的に描かれているので興味が湧いてきます。