レビュー一覧

人並み以上の能力があっても、平凡にしか生きられなかった男の死。背景にある盗作問題を追って三方五湖を彷徨する光彦。盗作とされた小説の詩情溢れる世界と、三方五湖の風景が重なって浅見光彦らしい世界を醸し出しています。原作の中から本筋以外の部分がすっきりカットされており、筋を追いやすく、雰囲気をゆっくり楽しむ事が出来ました。

殺人の動機は主人公が「なぜそんなことで」と嘆くほどしょうもないものだけれど。エンディングに立ち上ってきた香りなどのおかげで読後感はとても良かった。

何だかあっさり終わった感じがしました…勘違いで殺されてしまった細野さんは可哀想ですね！

大人気・浅見光彦シリーズのコミック版。文字ではわかりにくい旅先の景色等が絵で表現され、旅情を感じ取れるのがコミックの良い所。若狭殺人事件は、若狭を舞台に光彦が活躍する。水中綱引きは今もあるのだろうか、若狭や北陸の文化を上手く織り込んで旅情たっぷり。東京の事件との細い糸を辿っていくと戦後直後の事件に行きつく・・・。

沢音先生の絵が好きで借りました。浅見光彦シリーズももちろん好きです。今回は切ない話でした。最後はホッとしたというか救われた気分になりました。

浅見さんの作品の中でも、さわやかな印象がステキでした。人は、表だけではわかりませんね。

なんだか、久しぶりに感動できた光彦シリーズでした。

面白かったです。何より絵が綺麗で読みやすかったです。