レビュー一覧

　ほんのりとミステリー要素も入った耽美系のBLです。　美しい文章と秀逸な心理描写が巧みで、初読み当時続きが気になってページを捲る手が止まりませんでした。　特に、一般書籍と比べても遜色のない作者様の文章能力には脱帽させられました。他のBLに比べると性描写は控えめですが、それを補うほどの登場人物たちの深い心の闇と葛藤が、圧倒的な魅力を放っています。　なかなかいい作品に巡り会えない。そういった方にこそ、是非とも読んで欲しい作品です。

バッドエンド寄りのメリバなので読後感が辛い。こだわりを感じる文章は丁寧できれいなので、表紙となるイラストで少し損をしているかもしれません。

物語が佳境に差し掛かるという時になって、ぷつりと途切れた印象の結末。透子の病の原因は？文緒の笑みは何を意味するのか？その他もこれからどうなって行くのか、起承転結の起承でキツネに抓まれたイメージ。それまでは、古い村の雰囲気が伝わって面白かったです。