レビュー一覧

仲間の命と引き換えに、魔王を倒す道のりが描かれたダークファンタジー。物語が独特の世界観があり、主人公の葛藤や成長を楽しんでいたのですが、まさかの打ち切り？！ 5巻で終われるような世界観ではないのですが、急ぎ足で終わり色々と気になる点があるまま終了。これだけは言いたい、魔王倒したのはまさかのお前かっ！！な気分です。

なんと言うか・・・誰も救われない内容で読み切って決していい気分ではないかなぁ。まさにダークファンタジーと言える内容です。

仲間を殺す事で自分が強くなる、っていう設定はかなり斬新だと思います。勿論主人公たちは「殺せば俺TUEEし」とかじゃなく、「こんな戦い方しか俺はできないんだよ！慕ってきてくれた仲間も…さっきまで笑顔だった娘も…殺さないとレベルが上がらないんだよ！」と苦悩します。中には、「一人も犠牲を出さない！」という同職もいて応援していたのですが、やはり挫折してしまいました。残酷な現実、苦しみの対価、真実を知らない人々からは勇者勇者と崇められる。ジレンマ。ラストの主人公を殺したのはただのモブだと思ってたまさかのあの子！最後までたのしめました。……こんなシステムから抜け出して、努力＝勝利みたいになってくれたらと切に願ってしまいますが、それだと読み手として面白くない。なんて皮肉で残酷で、素敵な物語なのだろうと思いました。

アンチJ系？読後感はイマイチよくないので注意。

絵はキレイであり、設定は斬新で、序盤の方向性には期待が持てたのですが……。後半に向かうにつれて、チープさが目に付き始め。終盤では、投げっぱなしジャーマンの様に適当に終わらせたのが酷い。もちろん打ち切りのせいもあるのでしょうが、今まで張っていた伏線も謎も適当に放り出され、討伐士側も魔王側も管理局側も後味の悪さが残り、ちっともスッキリもストンと来る事もありません。きっと、作者の納得行く様に書いて貰っていれば違ったのでしょうが……もったいない。宣伝もよくされていたので期待して読み始めたのですが、正直コスパは最悪です。けなしたくはありませんが、オススメはできません。

なかなか新しい発想なんだけど、何故か続きが気にならない主人公や他のキャラにあまり魅力がないのかな