レビュー一覧

紙(中古)で持っています。本庄さん作品で銀蝶奇談に続いて2番目に好きな作品です。3作収録されています。表題作は医者×男娼でバッドエンドです。切な過ぎます。紫鬼は以前銀蝶と同じ遊郭で働いていましたが男性客と駆け落ちした過去があり、それを機に小さな茶屋で男娼として働きながら透哲というおじさん(経理担当)と生活しています。そこで男娼の往診医師・鴻に興味を持ち、鴻もどんどん紫鬼に惹かれてハマっていきます。鴻には婚約者がいて後に正式に結婚しますが、それを振り切って紫鬼と駆け落ちしようとします。しかし、妻に阻まれて紫鬼が刺されてしまう事件に。そこで2人の縁は終わってしまい、鴻は精神錯乱で独居房に入院、紫鬼は透哲と一緒にそこを離れ新天地で男娼を…という最後。実際、透哲が全ての鍵を握っていたのではないでしょうか。最初に紫鬼と透哲の出会いから始まる時点でこの物語は2人の話だったような気がします。鴻が当て馬というか。それにしても、透哲のやっている事は今でいう売春斡旋なわけだから犯罪ですよね。しかも友人の息子を売春させてその稼ぎで自分も生きながらえるとか最低な大人です。そこに疑問を抱かない紫鬼は相当透哲に心酔しているというか、慕っているんだなと感じました。つまり紫鬼にとっての幸せは透哲と一緒にいる事なんじゃないかな、と勝手に想いました。

銀蝶さんに続き和服萌えです、笑。結末がチョッと悲しい今回のお話。表題作以外の全く関係ない短編2本はチョッとおちゃらけていて、ある意味バランスが良かったかなぁと。

　冗談抜きで、あの文豪森鴎外の舞姫を彷彿とさせる作品です。というより寧ろあの作品をモチーフとしたのかもしれません。しかしちゃんと「オリジナル」と言える程に、しっかりと舞姫とは違ったメッセージとストーリーが組まれています。本庄りえさんは割と甘べたの作品を多く書かれていますが、この作品では人間の狡さや社会階層の格差に潜む悲しみが非常に上手く描かれています。　本庄りえさんの漫画は、少数なのですが、切ないラブストーリーや、腹黒い主人公が出て来る作品の方が絶対に面白くてオススメです。そしてこの漫画は、その中でも郡を抜いて一番だと言えるでしょう。

表題作も残り２つのお話も今一つ盛り上がりに欠けました。

表題作は人間模様が複雑でドラマティックで結末含めて良かったです。その後、救われる展開も見てみたい。

作家さん買いしましたが、いつものBL作品とは雰囲気が違います。特にメインの作品は時代も現代ではないというのもありますが、終わりもちょっと衝撃でした。先生の作品はエロも充実しており今回も沢山描写はありますが、それを楽しむというよりは儚げな雰囲気を読むという話だと思います。

紙書籍で読みました。本庄先生の作品は内容が薄いと評価されがちですが(確かにそういう傾向はありますが)、このお話は他とは一線を画す作品だと思います。表題作は男娼(紫鬼)と医者(鴻)の悲恋もの。まじめでエリートな医者が、いけないと思いつつも主人公に溺れていく様がいいです。高潔で常識的な鴻が、紫鬼への抑えきれない欲望に心も体も支配されていく描写に、心理的・肉体的なエロスが滲み出ています。美しい絵柄もストーリーにとても合っています。全てを捨てても紫鬼との愛を選ぼうとする鴻ですが、最後の最後に紫鬼に拒絶されてしまう......。幸せに結ばれてほしかったですが、バッドエンドだからこそ心に残る作品になっているのかも...。それでも、続きが読みたいと思わずにはいられません。精神を病むほどに紫鬼を愛した鴻だからこそ、この先に続くさらなる物語があってほしいです。

始めのストーリーは悲恋でしたが、その他のストーリーは明るい感じで良かった。絵もキレイで良かったです(^-^)

初めて読む作者さんですが、時代物のロマンスです。ちょっとダークで儚いですが絵は綺麗だし、良かったです