レビュー一覧

3つの短編があります。①サンプルに出てくるお隣さん×事務官の話と②刑事×先輩書記官の話は一応繋がりがあります。③はまったく違う外国の画家×画家の話。それぞれ後日談あり。どれも素敵なお話でしたし、書き下ろしの後日談と作者のコメントが作品の良さをより引き立てます。が、やはり物足りなさは残ります。特に①②の話は続編があればいいのに！と思いました。

独特な雰囲気はこの作者さんならではですね。短編も物足りなさを全く感じさせない凄さがあり、世界観にグイグイ引き込まれます。そして登場人物の魅力的なこと！山田さんは私のドツボのクソ真面目で「正しい人」。里村さんはセックスに踏み出す理由が何と切ない…。攻めもいい男。レトロなお話はもちろんお上手ですけど、現代のもやっぱりいいなと思います。

とてもアッサリしているお話です。もっと考えるような感じを期待していましたが。エチシーンもあるにはありますが、サラリとしています。3チケで充分だったかな、と。

いつもながら非常に良かったです。あと最初のお話で気になってた人物が表題作の主役として出てくるなんて、なんのご褒美かと思いましたよ。ただ最初に山田君を読んでその可愛さにやられていて、できればその人は美人攻で…！と思っていたので受だったことに少々残念（でもこちらのお話だけで見れば受で納得で最高なんです）な気もちが。もう一つ短編が入っていましたがこちらは全然関係のない外国の話でこの作家さんにしては珍しいな～と思ったんですが、古めの時代だったので雰囲気はとても合っていました。でも結局あの木の下から出てきたのはなんだったんでしょう？私が不勉強なのかもしれませんが、ネズの木のお話には関係ない物？（金貨？）だったのかな？なんにせよ、萌えだけでなく切なかったり哀しかったり微笑ましかったり、様々な感情を引き出してくれる素敵な一冊です。

面白かった。ほんと、面白かった。隣人の煙草が怪しく思えてしまった直感主義の男と隣人の話、兄への想いを隠し自殺した弟の理由を探す仕事柄中立思考の兄と刑事、犯罪者の孫であるがゆえにひっそりと暮らす絵描きと裕福な家の三男坊の3つのお話。どれも日常生活の中で突然生まれた違和感、事件がきっかけで触れる心。大好きです。

短編の小説を読んでるような面白さ。さっぱりと、ふんわりと芯はあるストーリーでした。キャラクターがみんな魅力的で、さらにストーリーに引き込まれました。

好きですって言葉しか出てきません。こういった雰囲気の作品好きなので読むことができてよかったです。彼らの先に幸あれと言いたいです。

表題作に星４こ。タイトルのごとく、しっとりと切ない物語です。主人公が、部下には包容力や大人の余裕を見せる一方、攻めにはわがままだったりマイペースだったりするのが好みでした。ノンケの主人公がゲイの世界に踏み出す過程身近だったはずの弟が抱えていた思いがけない秘密など、長編でじっくり読みたかったかな。

もう大好きです。きまじめな裁判所事務官の山田君とシェフの高天さん、弟を亡くした裁判所書記官の里村さんと刑事の結城さん、そして、海外の風景画家と肖像画家の3カップルのお話が楽しめます。里村兄は色っぽいし、結城刑事はかっこいい。

草間先生は行間を読ませるのが本当にお上手ですよね。その辺も詳しく描いて！！っていう方には物足りないのかもしれませんが、私は草間先生の読者に想像の余地を残した表現方法がとても好きです。今作も然り。隅から隅まで語り尽くされていないので、何度でも繰り返し読みたくなります。で、相変わらずイイ男の宝庫！！個人的には里村書記官推しです。その色気に悶絶。