レビュー一覧

王道のアオハルです。王子様キャラの先輩(攻め)とソフトツンデレの一年後輩(受け)の、可愛くてソワソワする様な微笑ましいお話です。思春期特有のイライラや焦燥感、家庭の事情や悩み、さざ波のように揺れる繊細な情緒にキューンとなりました。友達もあて馬も家族も酷い人は誰も登場しないので安心して読めます。ヒリヒリするような痛さや辛さは無い代わりに、物語にグイグイのめり込む醍醐味にはちょっと欠けますね。でもラノベにありがちな誰の台詞なのか判らなくなる様な会話の羅列や人称が定まらないストレスだらけの文章じゃなくて、凄く読みやすかった。この作家さんの他の作品も読みたいと思いました。

高校生同士に有りがちなこのドキドキ感が半端なくたまら～ん！エッチはほぼ出てきませんが、この心と身体がアンバランスでいて、未成熟な10代特有のエロチックさといいますか、甘酸っぱさといいますか、家庭環境を軸に梶と凛太の遣り取りが良いんだな～。そして、2人を見守る友人、丸山...。ホロっとさせられ、癒されるこの感覚。突飛なストーリーではなく、王道ストーリーの部類なんですがね。恋の甘酸っぱさを思い出したい時に？！笑、癒されたい時に読みたくなるかも。

作品紹介にもあるとおり、アオハル・ラブです。タイトルからもさわやかさが溢れてますね。劇的になにか起こるわけではなく、日常生活の中先輩梶への思いを募らせていく凛太。父や継母との関係性や説明できない苛立ちなど、思春期特有のものかな、と思われるエピソードが無理なく読めました。イラストも合っていて、世界観を高めています。片思いの切なさもあり両思いになった甘さもあり、のまさにアオハル！凛ちゃんを応援したくなりますし、今後のふたりも気になるところ。ネタバレになりますが、一緒に暮らすようになってからのふたりがみたいです。丸山日記みたいに、あまあまなふたりになるんでしょうね。

高校生の初恋青春物語って感じで甘酸っぱい…絵の相乗効果もあり楽しめましたが、う～ん、ストーリーの盛り上がりに欠けたような気がしました。物語上必要とはいえ、義理母との絡みが多いのにも若干閉口しました。

読み応えのあるBLを求めている方におすすめです。高校生同士の恋ですが、「お互いしか見えない」みたいな盲目的な感じではなく、登場人物のちょっと複雑な家庭環境と実ることがない、相手に伝えられない初恋の気持ちを押さえつけています。なるべく自然に淡々と振る舞う主人公がとっても高校生らしくそして、恋している姿が女々しくなく(ここがポイント高かったです)可愛かったです。2人のやりとりは、一見先輩と生意気な後輩のものなのに、そこには恋心があるからたまにそれが態度に表れてしまうのがグッときました。まだ親に養われている立場のまして男の子同士。後半この辺りがストーリーに絡んで来た時に彼等の高校生同士の関係のリアルさを感じました。とても瑞々しい作品です。主人公たちの好感のもてる人柄はもちろんのこと、脇役の人柄が読みやすい作品の縁の下の力持ちになっています。あんまり書くとネタバレかなと思ったのですが、とても面白い割にレビューも少なく殿堂入りでもないので長文頑張りました。作者さんは有名なので、もしかしたら紙媒体で既にご存知だという方が多いのでしょうか。

ちょっと理解しがたいところもありましたが、全体的にはうまくまとまっていて、良かったです

小説はあまり読まないのですが、凛ちゃんのこの切ない恋心や心理描写にはまってしまいました。「恋愛ってこういうことあるよな・・」と凛ちゃんの気持ちにかなり感情移入してしまいました。切なく、幸せな気持ちになりました。

高校生らしい甘酸っぱい、ピュアな話です。恋する切ない気持ちが丁寧に書かれていました。イラストも素敵で、文章も読みやすく、とてもオススメです。

作者さん買いです。月村奎先生のお話しは感情移入しやすくて大好きな作家さんの１人です。このお話しもピュアでホッコリする