レビュー一覧

この新聞社シリーズ、どれも好きですが、これもまたやっぱり引き込まれました。一穂先生の文章力、表現力にただただ脱帽です。男同士の恋愛が薄っぺらくないからでしょうかね。というかもう、人間と人間の結びつきとして、二人の人生を通して性別を超えるからですかね。ホント外さない。ウケの愛情、愛し方が本当に強くて優しくて切なくて好き。年齢の重ね方がまたよくて、距離が埋まって行く感じがたまりません。本当に面白かったです。

映画のようなお話でした。会えない切なさが好きなので、堪らなかったです。

17年はちょっと長いですよね。でも、再開したときにそれを感じさせない文章の緻密さと、深さがあって違和感はなかったです。そして娘が良い動き！こんないい子に育って、パパ嬉しいだろうなー、って感じでした。

新聞社シリーズの中で、なぜか私には一番インパクトの薄い作品でした。キャラが掴みにくいから？ストーリー的にもちょっと強引な感じがしました。でも、二人が再会して幸せになれたのは嬉しかったです。

これは良かった。この作者さんの作品は、私にとってありとなしと振り切れることが多いので。他の方のレビューから、２０年近く会えないってどういうこと、と思っていたんですが、ここで新聞社の意味が分かります、社会派ですね。最初のサンプルのシーンから涙が出る話になるとは全っ然思っていなかったんですが、途中でのシーンも、最後クライマックス前のシーンにも繋がっていて流石です。

１７年という長い月日、ひたすらに思い続けていた2人に、ただただ感激しました。受けと同じく、結婚してたらどうしようと、大丈夫だと分かっていながらも不安でした。再会して再び同じ時間を過ごせた2人、幸せになってもらいたいです。この2人のその後も読みたかった…。

新聞社シリーズ。やはり面白い。とにかくキャラクターが魅力的。単独でも話は分かりますが、「off you go」の良時や「ステノグラフィカ」の西口も出てくるので、やはり順番に読んだ方が美味しく楽しめます。本作は訳有り受け様と、いい意味で普通な攻め様の物語。恋愛のトーンから途中で一気にストーリーがあっという方向に展開していきます。このあたりの展開は、さすが一穂先生。二人は離ればなれになり、それから再会までなんと17年！長い(笑) 新聞社シリーズはどれもそうですが、こういう展開や描写は、若い方より私みたいなアラサー以上のほうが受けるのかなぁ。仕事現場が上手く描かれているというのもありますし、17年ですよ17年…。文句なしに面白いですが、17年というのがやはり長すぎないか？と思ったりして。まぁ必要な年月だということもよく分かりますが。あと他の3カップルと比べると少し甘さは控えめかなぁと思い★4つ。受けが精神的に大人で男前なんでしょうね。でもおすすめです！

秀逸な文章で物語りを紡ぐ作家さんです。この作品は、それに加えて独特のリアリティーがあります。恋愛要素の他にもうひとつのテーマがあり、企業の内部告発が取り上げられているのですが、読み終わって書籍を閉じた時に、物語のなかで繰り広げられた攻防が現実に起きた事であったかの様な錯覚に陥り、登場人物が居ない''現実世界''の方が、間違いであるかの様な浮遊感がかなり長く残りました。一読の価値ありです。

すごいな17年。文章で言われても、読みながら想像するのは25歳の二人なんですよね。

一穂さんの描く"切なさ"が好きだけど、今回はあまりにも長いことヤキモキさせられちゃったので星－1で。。　でも相変わらず文章も人物の描き方も素晴らしいです。