レビュー一覧

三原順先生、若くして逝去されましたが、社会派な話を色々書いておられました。当時の少女漫画としては珍しいジャンルだと思います。はみだしっ子から読み出しましたが、原発をテーマにした「ダイ・エネルギー」は時代先取りで、先見の明がある人だったのだなと思います。

三原順の作る物語には緊張感があり、家族や友人関係などで何か大きな欠落を抱える子どもが出てくることが多いです。その大きな欠落をどうにかしようと必死にもがき、人や自分を傷つけながらも生き抜こうとする生き様が、この初期作品集にも随所に現れています。時空を超えて彼らに共感しました。